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月曜日から私は朝練も始めることにした。私は影山と一緒にインターハイに行くんだ。

練習試合の日、影山にもたれ掛かったあの時。影山にはああ言ったけど、わたしだって恥ずかしくらいドキドキしてしまった。影山がいつもの影山に見えなくて、少し恥ずかしかった。

「ハー…。」
「どうした?」
「いや、」
「そのため息は、ずばり恋だね!?」
「…御崎うるさい。」
「みのりは可愛いんだからもっと女の子らしくするべきだよ〜そうすれば絶対モテる。」
「別にモテたくないしいいです〜。」
「モテると言えば、うちのクラスの佐藤さん、今日影山くんに告白しに行ったらしいよ〜?」
「え、」

影山に告白。しかも佐藤さんって小さくて可愛らしくて男子に大評判の子じゃなかったっけ。そんな子が影山に告白?

いくらバレー馬鹿でもそんな可愛い子が気持ちを寄せてきたら気持ちが揺らぐんじゃないかと何故か胸がズキズキとした。ズキズキって何でだろう。

「あれ?もしかしてショック受けてる?」
「…別に。」
「みのり、影山くんと仲良いもんね〜?もしかして今更好きだって気が付いちゃったやつ?」
「…好きって、私が、影山のこと?」
「私にはそういう風にしか見えないけど?」

確かに影山はいいやつで、大切な仲間なんだけど、そんな影山のことを好き?いやでも影山とどうなりたいとか想像できないから違う気がして私は御崎の言葉に否定した。

そしてモヤモヤとした気持ちのまま放課後が来てしまった。私は部活に行こうと第二体育館の裏から行くと、そこに影山と佐藤さんの姿があった。

「影山くんっわたし、佐藤若菜って言います。」
「…うす。」
「えっと、それで…わたし、影山くんのことが好きで、バレーのことを優先していていいので、付き合ってくださいっ。」
「……。」

完璧な影山への配慮ある告白だ。こんなに影山のことを思って告白する女の子他にいない。ああ、まただ。心がズキズキとしている。私はその返事を聞きたくなくて、立ち去ろうとした。

「ごめん。」

少し大きめな声で影山が謝り、頭を下げていた。思わず私はまた茂みに隠れてしまった。

「え、っと…、」
「俺はバレーが1番だし、他に何かって考えられない。」
「…それでも、私に影山くんのこと支えられることがあればって思うの。」
「…支えはいらない。一緒に立っていられるやつがいるから。」
「…それは、部活の人?」
「違う。…辻川は、違うけど俺の相棒だ。」

どうしよう、何でこんなに嬉しいんだろう。さっきまでモヤモヤしていた気持ちが一気に晴れて、2人が立ち去った後でもその場から動けずにいた。