心配される
【影山です 病院つきましたか】
随分と文章にするとしおらしくなるんだな、と思いつつ待合室で連絡を返す。というか本当に連絡をしてくるとは思ってなかったので案外影山さんって面倒見が良いのかもしれない。
【お疲れ様です。病院つきました、これから検査です!】
【影山さんは何も心配せずに休息を取ってくださいね。】
それだけ打つと病室から名前を呼ばれた。私は慌てて携帯の電源を落とし診察室へと入った。念のためとCT検査までしてくれて、ただの自分のどんくささからきた怪我だったのに申し訳なくなったけど結果はただの打撲と打ち身で頭の異常もなし。一安心をして病院を出た。
「暫くは湿布貼っておかないとなあ…宮さん辺りにババアくさって言われそう…。」
時刻はすっかり日付が変わる頃になっており、私はタクシーで寮まで帰った。部屋についたとき、電源を落としたまま忘れていた携帯を復活させると大量の通知が来ていた。もちろん相手は全て影山さんだ。
【結果わかったら教えてください】
【どうだった?】
【わるかったのか?】
【入院?】
【大丈夫か?】
【返事してくれ】
【どこの病院だ?今から俺もいく】
【へんじくれ】
「うわ、」
何だか申し訳なるほど心配の連絡が入っていて、慌てて返信をした。
【すみません!病院で電源落としていて、あの大丈夫でした!今は寮の部屋に戻ってきています。心配おかけしました】
すると程なくしてそれは既読になり、着信画面へと変わった。
「も、もしもし?」
『大丈夫だったのか!?』
「あ、はい。ただの打ち身と打撲でしたよ。CTも受けたので間違いありません。」
『よかった……俺心配で、』
「すみません、早くお伝えすればよかったですね。ご心配おかけしました。」
『いや今日は本当にごめん、俺のせいでお前に怪我させちまって、』
「そんな気負わないでください。そもそも運動神経なかった私のせいなんですから、ね?」
『…………でも、』
「それでもそう思うなら、もう指定時間外の自主練はやめてくださいね。」
そういうと影山さんはまたぐぬん、と声を出した。私はその声を聞いて思わず笑ってしまった。
「もう、じゃあ今日は早く寝てくださいね!心配してくださってありがとうございました。」
『……ああ、お大事に。』
「はい、また明日。」
いつも人の心配ばかりしている身からして、人に心配されるのは慣れていないけど何だか少し気持ちがよかった。私はお風呂に入って明日に備えることにした。
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