楽しみな2人
「なぁ辻川って積極的なの?消極的なの?まじでよくわかんねえよ…」
「はは!おもしろ!」
「田崎お前…俺が頭抱えてるっつーのに」
高瀬先輩に【今日の夜時間ねえか?】と連絡を受け近所のファミレスに入れば練習後だったのか髪の毛がいつもよりぺたんこになった上でなっさけない顔をした先輩がいた。
「でも昼間のあれはびっくりしましたよね〜」
「だろ?いや不意打ちキュンだったわまじで」
「あはは、あ、すみませーん!いちごパフェでお願いします!」
「てかあいつまじで俺と話す時基本目合わないしオドオドしてるくせに言葉だけは直球で調子狂うわ……」
「だから言ったじゃないですか、ただのバカな顔ファンじゃないって」
「……言ってたなぁ、そういや」
「あはは、どうです?好きになっちゃう?」
おちゃらけて聞いてみたけど高瀬先輩は机に顔を埋めて表情が見えない。でも絶対これはもう先輩の方はいけるな、という確信があった。
『野球してる高瀬選手が1番かっこいいのに、分かってもらえないの寂しいです』
その言葉をみのりの口から出た時の高瀬先輩の顔は今でも情けなくて笑える。知り合って3年くらい経つ気がするけどあんな顔見たのは初めてだった。
「好きねえ」
「まあそうなっても私は先輩には協力しないですけどね」
「いやなんでだよ」
「辻川の味方ですもん、わたし」
「あーはいはい、てか辻川って彼氏いねえよな」
「いたらあんなに試合観戦行けないでしょ」
「それもそうか、……あーよし、とりあえず今は考えないようにするわ」
「大会ありますもんね」
「そうそう、でも辻川に彼氏出来ないように見張り頼む」
「はぁ?」
「はぁ?」
「いやだって好きかどうか分かってない先輩にそんなことする必要」
「限りなく好きだよ、ただ恋愛になるかは判断するには辻川を知らなすぎる」
「……へえ」
「ということだ」
「ということだって」
「俺にも協力しろ」
「うーわ、横暴……」
「してください」
「ふふ、よろしい。じゃあこの田崎様がしてあげましょう」
2人が本当の恋愛をする時を今か今かとわたしはすごく楽しみになった。この日は容赦なく高瀬先輩に奢ってもらいました。