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夏休み最終日、本日東京卍會幹部+千冬+ぺーやん+エマ+みのりは海に遊びに来ていた。

「みのりまじ肌きれ〜てか夏なのに白くない?」
「エマは何でそんなにおっぱい大きいの?」
「え〜知らないけどぉ、てか別にみのりも普通にあんじゃん、Cくらい?」
「ドンピシャ、エスパー?」
「ふふ、じゃいこっかぁ」

女子たちはシャワールームを借り水着に着替えた。エマは可愛い水玉模様のビキニ、みのりはシンプルな真っ白なビキニを着るとまるで中学生には到底見えない大人っぽさがあり海の家から出た瞬間凄く目立っていた。

「あ、あっちにいるっぽ〜い」
「本当だ、圭兄!」
「おう、お前ら目立ってんな」
「え?」
「ねえねえ可愛い?」
「あー?だからそういうのわかんねえって」
「ドラケンくん、可愛いって素直に言いなさいよ」
「みのりテメー生意気な口になったなぁ」
「私はエマの味方だもーん」
「はいはい、可愛いよ」
「ん〜嬉しい!」


ぞろぞろと御一行が集まるとその集団は完全に異質で周りも近付いてはいけない雰囲気があった。そのおかげもありエマとみのりも変なナンパも無く男どもが海で馬鹿騒ぎしてても浜辺で楽しくその姿が見れた。

「ずっとこうしてればいいのに…」
「……ね〜、こうしてるとただの中学生って感じする」
「………うん」
「ウチ飲み物買ってくるけどみのりいる?」
「大丈夫、まだある。ありがとう」
「じゃ行ってくるね〜」

エマはドラケンを呼び2人で海の家へと行ってしまった。エマのああいう姿を見てると凄く可愛いな、恋愛っていいのかな、と思ったり。みのりはまだ初恋というものを経験したことがない。いや、ある意味兄への気持ちがそれに近いのかもしれない。恋ではないけど愛ではあるもの。みのりはボーッと海を眺めていると途端に頭の上に冷たい感触が乗る。

「っつめた、」
「何ボーッとしてんだよ」
「……千冬かぁ」
「俺で悪かったな」
「本当にね」
「へらず口」
「もー何?冷たいんだけど!」
「場地さんがぼけっとしてっと倒れるからこれ持ってけって」

千冬はみのりに少し凍ったペットボトルの水を渡すと兄の名前が出た効果もあり素直にそれを受け取った。溶けかけたペットボトルの水が腕へと伝う、たったその一連の流れだけでもただでさえ水着姿の女の子に慣れてない千冬にとっては大きな刺激となってなかなか直視出来なかった。

「じゃ、じゃあ俺行くから」
「ねえ千冬、ここ座って」
「は?」
「いいから!」
「……ったく、あんだよ」
「……ふふ、あんたドキドキしてるでしょ」
「ッハァ!?!?」
「顔に出てる、女の子の水着姿見て緊張してますって」
「っうっ、せーーわ!」
「ドーテーすぎるでしょ」
「おま、女が童貞とか言うなよ!」
「え?なんで?別にエロい言葉でもないでしょ童貞なんて」
「あーあーーデレカシーの無い女まじ嫌いだわー!」
「デレカシーってあんたよく語れるよね、っちょ、何すんの!」

千冬はみのりの腕を掴み立ち上がらせるとそのまま海の方まで引き連れる。奥の方でマイキーとぺーやんとパーちんがバカやってるのが見える。いつの間にか足元は濡れ海の中へと侵入を進めるとみのりは千冬の名前を呼んだ。

「ねえ!やだ!」
「お前なんかな、別に欲情したりしねえし、」
「つめたっねえ私泳げない!」
「場地さんの妹じゃなかったら、こんな海なんて、一緒に行かねえけど!」
「千冬!」
「来ちまったんだから海入って楽しんで帰れ!」



千冬はみのりの腕をギュッと握りおーい、マイキーくーん!と名前を呼んだ。みのりは掴まれた腕の部分がやたらとジンジン、ドクンドクン熱くなって、それ以上何も言えなかった。
何、何これ。目の前の千冬が、ただのクラスメイトだった松野千冬が、どうしようもなく眩しくて。


今思えば多分あの時、私は千冬に恋に落ちたんだと思う。