たのしい飲み会企画(百サイド)


「千…大丈夫…?」
「今は喋り掛けないで。」
「わお…イライラモードってわけね……。」

みのりちゃんと口を利かなくなってから早1週間。
千は自分の思い通りにならないと案外子供っぽくむきになるところがあるからどうせ直ぐに解消されるだろうと思ってたけど、その予想とは反してこの決意は堅かったらしい。
俺が思うに、千は相当みのりちゃんのことを気に入ってる。

「おかり〜ん、明日は?」
「明日先方の都合で予定していた取材が来週に回ったので明日は急遽1日オフになりそうです!」
「まじで!?やった!」
「え、岡崎さん私は………」
「ふふ、半年間無理もさせてきたでしょうし辻川さんもお休みで構いませんよ。僕も半休は頂く予定です!」
「……じゃあ私も半休でいいです。岡崎さんが働いていらっしゃるのに休めません。」
「辻川さん………。」

こういう真面目なところ、何よりもみのりちゃんの魅力にあたる1つだ。
見た目は至って平凡だけど清潔感があって少し童顔で、でもきっと好きな仕事じゃないのに任されたものに関しては真面目に取り組む。そんな子を千だけじゃなくて岡崎さんだって認めてるから辞めさせたくないはずだ。

「田中さんはお休みで構いません!じゃあ辻川さんは午前中だけ一緒に溜まってる書類と今後のスケジュールの合わせ一緒にできるかな?」
「はい!」
「じゃあお疲れ様でーす!あ、みのりちゃん、ちょっと来て!」
「はい?」

別室でふてくされている千に見つからないようにみのりちゃんの腕を引っ張り廊下に連れ出す。みのりちゃんはコツコツとパンプスのヒールを鳴らし俺の後ろを歩く姿は、なんだか小動物のようで少し可愛い。

「ごめんね引っ張っちゃって、」
「いえ、どうかされました?」
「今日の夜、少し時間もらえないかな?もちろん百ちゃんが奢るからさ!」
「……2人、ですか?」
「そう!2人2人!」

恐らく千が来ることを気にしているのだろうみのりちゃんは疑いの目を持ちながらも、俺には少し心を開きつつあるのか少し考えた後にいいですよと嬉しかったのかもぞもぞと手を動かしながら目線を反らした。何これ可愛い。

「やった!じゃあ行こう!」
「え、あ、いや待ち合わせにしましょう!撮られたりしたら怖いので…。」
「ああ……そういうところほんっと真面目だよねみのりちゃん。」
「自分の事務所の人間守る人間が迷惑かけられませんから……、じゃあお店についたら先に入っててもらえますか?私は百さんが入ってからお店に入りますね。」
「了解!じゃあ後でな!」

一度みのりちゃんと別れ、タクシーに乗り込む。
すると携帯が震えたのを感じ、確認をすると万さんからのラビチャだった。

【久しぶり。この間Re:valeのマネアシさんとご挨拶したけどあの子いつから入った子?】

「へ〜…会ってたんだ。」

【万さん!お疲れ様です!みのりちゃんは4月から入ってきてくれた子なんですよ!】
【喋りました?】

【挨拶程度に。凄く良さそうな子だったね。】
【今度話したいって伝えておいて】

【え、じゃあ今からご飯一緒にするんですけど万さんきます?】
【前に一緒に行った市ヶ谷の個室バーです!】

【いいの?俺ちょうど水道橋にいるから直ぐにでも行けちゃうけど。】

【いいですいいです!多分みのりちゃんもマネージャーとかの話したら喜ぶと思います!】

【じゃあお言葉に甘えて。お店のURL送っておいて。】
【千もいるんだよね?】

【了解です!】
【あーいやユキさんはいないです!ちょっと訳ありで…】

【訳あり?後で教えて!】

【もちろんです!】
【お店のURLです〜!http:::///shuu.net】

さあて、なんて万さんに説明しようかななんて考えているとあっという間にお店の前に到着をした。