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千冬が話した真相はこうだ。

敵対視していたチームとの乱闘に場地がスパイで入ったがマイキーたちが場地を取り戻す為に戦った、そこである男に場地は刺されたが決定打は自分の気持ちに折り合いをつける為に自分自身を刺したと。ーーー今一緒に働いてる一虎のことは言えなかった。

それでもみのりはその真相から目を逸らさず真剣に聞き入った。震える手は自分自身でぎゅっと握りしめ千冬の話が終わる頃には掌に爪の痕が残っていた。



「気持ちの折り合い、って……例えば刺した相手を庇って…とか……?」
「!……いや、まあその辺は」
「その相手って…一虎くん?」
「っ………」
「……そっか」
「な、んで」
「………一虎くん、私と会った時凄い顔してた。話してても目が合わないし親に叱られたり子供みたいな顔してる。……それに圭兄が出してた手紙、一度だけ封を見たことがあって一虎くん宛になってた。多分圭兄、一虎くんを助けたかったのかなぁって」
「……………」
「だから……圭兄が、受け入れたように私も一虎くんのこと、受け入れるよ」


みのりのその言葉に千冬は思わず身体が動いた。気が付けば震える彼女を正面からギュッと抱きしめていた。ーーーあまりにも泣きそうな顔で笑うから、それが痛々しくて残酷だった。


「お前くらいは一虎くんのこと恨め」
「っ……ううん」
「恨めよ、……それに何も出来なかった俺のことも」
「う、らまないよ」
「…………」
「………圭兄が言ってた」
「…………」
「あいつらのこと、千冬のこと頼むって」
「っ………」
「わたしが、幸せでいてくれたら何もいらないって」
「……はは、俺にも言ってた」
「……何て?」
「みのりを頼むって、最期言われた」
「、っ……」
「ありがとなって笑ってた」
「……圭兄、らしいね」
「………ああ」


ねえ、千冬。
みのりは千冬の肩を押して離れると意外と近い距離に顔があって少しドキドキしたけど目を見てまた名前を呼ぶ。

「わたし、幸せになるなら千冬とがいい」
「……………」
「千冬のことが好き」
「っ……、」
「中学の頃からずっと好きだっ」
「もう喋んな」
「ん〜!んんん!」

みのりの口から溢れ出る言葉を遮るように千冬は口に手を当てた。バカかよ、と文句を言う千冬の顔は赤く染まりまるで学生みたいな反応を示す。その顔を見てみのりも顔を赤くさせた。

「俺、は……お前のこと、好きだ。けど正直どうしたらいいのか分かんねえ」
「……………」
「みのりが幸せになる為に俺はもう会わないって決めてた。……だから少し時間が欲しい」
「…………うん」
「かっこ悪いよな、………俺、場地さんみたいにうまくできねえ」
「そんなことないよ」
「……………」
「12年間、千冬が何をしてたのかゆっくり教えて?」
「……ああ」


2人は夜更けも気にせず話をした。
2人にとってこの時間は特別なものとなった。