「え?」
「だからこれ、ここの住所。明日住民票移動してこい。ンでこれ貸すから調べもんとか勝手にやっとけ」
「………ま、まってください、それじゃ、わたしここに住むってことに、」
「他に行くとこあんのか」
「………ない、ですけど」
「じゃあいいだろうが」
お風呂を出るや否や、あれよと爆豪くんによって私の生活基準が決められていく。というか私、ここに住み続けることになるってこと……?何故爆豪くんはそこまで私なんかに良くしてくれるんだろう。全く持ってメリットもないし、ヒーローってそこまでやるほどのことなのだろうか。感謝はしている、だって本当にこうして爆豪くんと出会わなかったら私はもっと悲惨なことになっていただろうし。感謝はしているんだけど……、
「どうして、そこまで……」
「あ?」
「ぁ、っ……え、と……見ず知らずの一般人に、ヒーローってここまで、してくれるんですか………?」
「‥‥‥‥」
「すみません、あのわたし、」
「見ず知らずの人間にはしねえわカス」
「…………へ?」
その言葉は衝撃的で、まさに私は度肝を抜かれてしまった。
つまり、爆豪くんは私のことを覚えていた、ということなんだろうか………。
「もしかして、………わたしのこと、知ってます、か?」
「ハア?てめえ、俺が忘れてるとでも思ってんのか?」
「え、と……中学時代は、一度も喋ったこと、なかったですし、」
「…………俺の記憶力なめてんじゃねーぞ」
「す、すみませんっ、」
やっぱり爆豪くんはすごい。こんなモブAの存在も熟知していたなんて、当時の私にも言ってあげたい。しかしそれでも自分と関りが無かったことには変わりないのに、ただの同級生にここまでの人助けをしてくれる爆豪くんは実は仏のような心を持っているのかもしれない。
「わたし、東京に出てきてからずっとついてなくて、その………情けない話ですが職も住まいも失ってしまって………でも爆豪くんが声をかけてくれて、こうしてお家に入れてくれて……、本当に感謝してます。あの、今更ですが本当にありがとうございます。」
「‥‥‥‥」
「少しの間、お世話になってもいいでしょうか………?」
「………だからそうしろっつってんだろ」
爆豪くんはそっぽ向きながらそう言ってくれた。
もう爆豪くんに足向けて眠れないな、と思いながらもただで住まわせていただくことは出来ないと思いある提案をする。そのことが私たちの今後の関係に大きな影響を及ぼすこととなるとは、この時の私はまだ知らない。
「なんでも、します。爆豪くん、わたしなんでもするので、」
「……………あ?」
「住まわせて頂く以上、何もしないなんてこと申し訳なくて、なんでも、言ってくれれば、やりますっ」
「……じゃあてめえ、俺が抱かせろっつったら抱かれんのかよ」
「………へ?」
「何でもってそういうことだろ」
そう言いながらその日、私は爆豪くんに抱かれた。