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「辻川さん、ゆうまくん今日お休みってお母様から連絡あったよ〜!」
「あっはい!ありがとうございます!風邪ですかねえ?」
「みたい、最近流行ってるから気を付けないとね〜」
「そうですねえ…あ、今日わたし午前中お散歩なんですね、わーい!」
「ふふ、お散歩好きなの辻川さんくらいよ、気を付けてね」
「はいっ、ゆみ先生〜こちら準備オッケーです」
「はーい!じゃあ行こうか!」

職場の保育園はアットホームで1年目だけど居心地が良くてだいすきだ。午前中は毎日ローテーションで園児2歳〜4歳児の6人に先生2人で街中をお散歩。前にエッジショットと遭遇したことがあってわたしはお散歩がだいすきだ。(しかもエッジショットは園児へのサービス精神旺盛なの最高)

「かなちゃん、先生のおててしっかり繋いでね〜!」
「うんっ!」
「せんせー、おしっこー!」
「えーおしっこー!?ちょっと待って〜!あ、たつやくんは?たつやくんもおトイレ行く?」
「……いく」
「じゃあもうかなちゃんもみんな行こう!ゆみ先生すみませんっ少しお時間ください〜!」
「はいはい〜!」

今日も通常営業にバタバタです。








「今日もいい天気ね〜」
「平和ですね〜」
「平和が1番よ」
「ヒーローのおかげですねえ」
「僕デクがいい〜!」
「わたしフロッピー!」
「ホークスだろ!空飛びたい!」
「えー先生はねー大爆殺神ダイナマイトだな〜!」
「えー!あいつヒーローっぽくないよ!」
「ダイナマイトこわい〜」
「えーそうかなぁ…?かっこよくて強いヒーローだと思うよ?爆発もかっこよくない?バチバチ〜ってすごいよ?」
「顔こわいよ」
「いつもママにダイナマイトの真似しちゃダメって言われるよぉ」

ぐぬぬ、と子供達の真っ当な言葉に胸を打たれる。今はそうでもきっと数年後ダイナマイトの良さに気がついてくれると信じてそれ以上の弁解はやめる。さて保育園まであと少し、そんな時に聞いたことのないような爆発音が私たちの周辺に鳴り響く。途端にキャー!という叫び声、走り行く人たちを見てこれは普通じゃないと察した。

「みのり先生!子供たちを!」
「は、はいっ!保育園は無事、なんでしょうか?」
「分からない、けど今はこの子たちを守ることが最善。とにかく行きましょう!」
「せんせい…?」
「みんな、大丈夫だよ〜!みんな運動会の練習だ!私たちも頑張ろっか〜!」
「運動会!やるー!」
「やるー!」

バクバクと心臓が今にも飛び出そう。敵がいるのだろうか、子供たちをちゃんと守れるだろうか。不安で押しつぶされそうだ。
その時ーーーーーバチバチッboooom!!!

派手な爆発音が空から降ってきた。それはあまりにも一瞬で、目にも追いつかない速さで飛んでいく……

「ダイナマイト……!」
「せんせー?行かないの?」
「っいく!ごめんね!かけっこの練習だよ〜!」

ダイナマイトが、助けに来てくれた!
その事実は周りの人達にも伝わったのか歓声が湧く。と同時にここはきっと大丈夫だという安心感。ヒーローってすごい……!

「せんせー、かなちゃんが疲れちゃったって〜」
「えっ!?あー疲れちゃった?でもあとちょっとだよ!ほら!かなちゃんあっちに誰がいると思う?見て!ウラビティーだ!」
「ほんとだー!ウラビティー!!」
「あっさとしくん走らないで!まって!」

かなちゃんがぐずつく中、さとしくんだけ走って先を行ってしまいわたしは一度かなちゃんの手を離しさとしくんを捕まえにいく。たつやくんの手を掴み振り返るとかなちゃんが1人泣いていて、やばいと思いさとしくんとたつやくんを必死に引き連れかなちゃんの方に向かうその時、ドカンと風が吹き敵と思われるヴィランが目の前に現れる。

「ヒッ」
「うわぁぁぁん!ままぁぁ!」
「うわあああゔぃらんだ、やだぁぁ!」
「うっせーぞガキども、チッ…人質くらいにはなるか。おい、」
「うわぁぁあん、せんせ、せんせぃ、」
「や、やめて!その子を離して!わたし、わたしが代わりになるからその子だけはやめてっ!」
「先生、泣けるねえ。子供が大切かい?」
「大切っ大切!わたしが守らないといけないんだから!お願い、なんでもするからその子だけはやめてっ!」
「はぁ〜その悲痛の叫び、最高だよ先生。でもなぁ、大人は後々やりづれえからなぁ」
「わぁぁぁん、せんせぇぇっ、」
「助けてっ……、助けて!ダイナマイトっ!!」


「ッせ、ーーーしねええええ!!!!!!」

目の前にいた敵はぶっ放され、涙目ながら見上げるとかなちゃんを片手に抱きしめたダイナマイトがわたしの前に立った。