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「わーおイケメン。範太の友達にこういう系統めずらしくない?」
「そう?ほら上鳴とか顔はいいっしょ?」
「あのウェイとは全然違うじゃん」
「おい!話聞いてんのか!」
「一緒よ?お疲れ、まあ入れよ」
「……んだこの女ども」
「どうも〜、範太がお世話になってます〜」
「こいつは元カノ。こっちがこいつの友達のみのりちゃん」
「、は、え、ダ、っ、?!」
「……昼間のやつか。あんなことあって夜飲み行くとかずぶてえ神経してんな」
「はいはい言い方。何飲む?」
「あ?飲まねえわ帰る」
「かっちゃ〜ん?お前あの日酔っ払って誰がお家まで送って行ってやったんだっけ〜?その分のツケがまだだなぁ?」
「…………チッ、クソザコが」
「くちわっる」
「でも可愛いところもあるからね」
「はぁぁぁぁ?シネや」

わたし、知ってる。この特徴的な髪型と髪色、そして印象強いキリッとした目元と赤い瞳。何回も何回もフィギュアを見たことがある。
ヒーロースーツではない姿、シンプルな服装なのにモデルですか?と思うくらい足がすらりと長くて顔もマスクを外した全貌も美しすぎてもはやこの世のものではないみたい。この人が、あの、大爆殺神ダイナマイト様……?

「おい、奥いけ」
「ヒッ……ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「!?」
「ちょみのり?!」
「む、むむむむむりですっむ、むりぃぃぃぃぃぃ」
「あ?てめぇ舐めてんのか」
「キャァァァァァ!あ、あああああみちゃぁ、たすけっ、たすけてええええ!!!」
「ふっ、あひゃひゃ!爆豪、お前隣り拒否られてるよ、ひーーっ面白すぎる!」
「ああ!?てめぇ、俺の隣は座れねえっつーのか!」 
「ひいいやぁぁぁぁ!!まっ!あみちゃ、あみちゃぁぁん!やだぁぁたすけっ、ひいいいい」

わたしの悲鳴もそこそこにあみちゃんもセロファンも大笑いをして助けてくれる気が一切ない。わたしは手も足も震えながらいるとダイナマイトが動かないわたしの後ろを跨ぎ奥の席に座ると隣に座った。やばい、後ろ通った時、いい匂いした。やばい。手を伸ばせば届く距離にダイナマイトがいる。プチパニックのわたしは机に額をつけ俯いた。だめだだめだ、冷静でいられるはずがない。
そんな姿にまだあみちゃんとセロファンの笑い声が耳に入ってきた。

「みのりちゃん面白すぎて俺むりなんだけど!やばい!何この子!」
「まさかここまでなるとは…ふっ、ふふ、みのり!顔あげてよ!あんたの好きなダイナマイトだよ〜!」
「ひいい…やめてっいわないでえええ」
「……さっきてめぇ言ってたじゃねえか」
「あっ、あっれは、ダイナマイトが、ダイナマイトでっひーーーこっち!見ないでくださいいいい!」
「あ"?見てねーーわ!自意識過剰なんだよ!」
「すみませんすみませんすみませんわぁぁんダイナマイト、うっ…………」
「うわ……」
「え!?号泣!?」
「ちょっとみのり!?」

みんな引いてるのが分かる。分かるけど今日命を助けてくれたダイナマイト、日頃市民を守ってくれてるダイナマイト、強くてかっこいいダイナマイト。そんな私にとって神様みたいな人が隣にいるんだから、どうか許してほしいしほっといてほしい。
流れてくる涙は止まらなくて、その後セロファンと席を変わりわたしはあみちゃんに抱き付きながらダイナマイトの存在に感謝しながら泣き続けた。