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あれからいくつか月日が経ったわたしは何ら変わらない日々を過ごしていた。ただ一つ、半年前とはひとつだけ決定的に違うことがある。
「だからヒーローデクのこと悪く言わないでよ!!」
「ああ!?てめーがデクの何知ってんだよ!あいつはただのクソナードで何ら居てもいなくても変わらねえ木偶の坊だっつってんだろ!」
「違うよ!!爆豪くんは知らないかもしれないけどデクは本当にすごいんだよ!!半年前のデパート爆破予告事件のときも、」
「俺だっていたわ!」
「そうですね!!、じゃなくてクルーズ船乗っ取り事件のときも、」
「あれは俺らの這ってた案件をあいつが勝手にやっただけだ!」
「そうなの!?、じゃなくて!この間の山手線ガス放出事件のときも1人で何人も救出をしてくれてたしいつもファンサービス旺盛でSNSもたくさん色んなヒーローの紹介とかしてくれて本当にかっこよくてすごいヒーローなんだよ!」
「だーーうっせうっせ!てめぇが好きなのは俺だろうが!」
「デクのこというといつもそれ!好きですけど!!」
爆豪さん改め爆豪くんとはだいぶ仲が打ち解けて今や言い合いを出来る様になった。もちろんヒーローとしての大爆殺神ダイナマイトは大好きに変わりないし応援もファン活動も行なっている。
だけど正直爆豪くんがわたしのことを気に入ってくれてる、とは言ってくれたけどそれが好きなのか、私たちは今どういう関係なのかよく分からずにいる。その上あの中途半端に気絶してやり逃した日以降、彼とはそういう雰囲気に一切なってない。月に2回くらい行く飯友、と言っていいんだろうか。
今日も綺麗な顔と一緒に食べるしゃぶしゃぶは美味しい。
「お前、今週の土日は休みなんか」
「ん?今週はお休みだよ〜爆豪くんはお仕事?」
「いや、……事務所から休めって言われた」
「ダイナマイトはずっと動いてるもんね〜昨日SNSに載せられてたよ?」
「は?知らねえ」
「一般人が勝手に撮ったのかな?1万リツイートとかされてたけど」
「チッくそモブが」
「でもそのくそモブを助けてくれてるんだもんな〜ダイナマイトはすごいなぁ」
「ったりめえだろ。……土日、付き合え」
「え?どっか行くの?焼肉?」
「ちげぇ、ここ」
渡された彼のスマホには人気リゾートホテルのHPだった。驚きすぎて変な声出た。
「え、え、な、!?」
「いい加減あの日のリベンジさせろや」
やっぱり飯友なのは違うかもしれない。