楽あや
笑顔を浮かべて歌ってた。楽しそうに、幸せそうに。
鈴の音のように耳に届く歌が心地よかった。
恋をぶつけられ、思わず出た言葉に自分でも違和感を覚えた。
指の隙間から見えた涙。もう、子供じゃないんだな、なんて。今更だっただろうか。
落とした言葉は消せないが、それを踏みつけ伝えてやろう。
「ごめん、好きだよ」
お前の歌も、お前のことも。
いつまでも引っ付いていた子供じゃなかった。とっくに大人になっていたのに、どうして気づかなかったのか。
「ずるいよ」
悪かった。
声に出さずに口を塞いだ。
真っ赤に染まった頬は、記憶の中よりずっと大人びていた。
-5-
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