37話 未来の子供の名前を考える

37話 未来の子供の名前を考える


ーピピピピッ

「んん……」

春樹の誕生日の朝。
僕はiPhoneの目覚ましで目を覚ます。
現在時刻、8時ちょうど。

隣では最愛がすよすよ寝息を立てている。
春樹はあんまり目覚ましで起きてくれるタイプでは無い。

自然に起きるか、僕が起こすかの2択。

「はーるーきーさーん」

「……んぅ??」

「おはよ。朝だよ」

「んぅー……はよぉ……」

春樹はくあっとあくびをしてからゴシゴシ目を擦って目を覚まそうとする。
そして、目が覚めてから、僕の少し髭の伸びた頬や顎に触れる。ジョリジョリ。

「好きだね」

「うん。洵の全てが好き」

朝から僕の最愛が可愛いんですが。

「誕生日おめでとう」

「うん。ありがとう。誕生日に洵と1日いれるの嬉しい」

「なに?今日なんでそんな可愛いの」

「ふふふ。誕生日サービス」

「なにそれ」

僕達は額をふれあい笑い合う。
ああ、なんて幸せなんだろう。
2年半前はこんな幸せがあるなんて知らなかった。
生きることを諦めてた。
どうしても、死にたかった。

でもあの時生きていて、よかった。

春樹に出会えて、春樹と恋して、僕は変われたんだ。

「春樹、これ、誕生日プレゼントね」

「あ、うちのショップのじゃん!やった!!」

「春樹を喜ばせるプレゼントはあのショップのしか思いつかなかった」

「確かに正しい判断だ!開けていい??」

「いいよ」

春樹はその小箱の包装を剥いでいく。
中からはブラウンレザーの時計。

「確か、男から女への時計のプレゼントって、『同じ時を歩んでいこう』だっけな?知ってて買ったの?」

「うん、調べた」

「洵!!好きっ!!」

「んむっ」

春樹は僕に抱きついて、口付ける。

僕達は深く深く、口付ける。

「……朝ごはん食べて買い物行くんでしょ?」

「……うん。ご馳走買って、食べながらイチャイチャすんの」

「準備しよ?」

「うん」

僕達はまた口付けして、顔を洗って、朝食を食べて、出かける。

春樹の左腕には僕がプレゼントした時計。

まずパン屋に行った。
いつも割と通っている所で、フランスパンが美味しい。
フランスパンの他にもパンを買って、テイクアウトの出来きる店に寄り、ミネストローネとオニオンコンソメスープを買う。
そして、他にも色々買ってから、ケーキ屋に。
春樹はめいいっぱい悩んで、ホールのイチゴショートケーキにした。

両手にいっぱい購入して、家に帰ると昼前で、ちょっと早めの昼食。
買ってきたご馳走を食べる。

「うまー!」

「これも美味しいよ」

「あーんして」

「はい、あーん」

こんな感じで終始イチャイチャする僕達。
あらかた腹が満腹になっても食糧はまだ残ってて、僕達は「ちょっときゅうけーい」と食べるのを休憩する。

春樹は僕に寄りかかる。

「洵と私の子供ってどんな子になるんだろうな」

「急になにー?」

「んー?気になったんだよ。絶対音楽好きになるよな」

「絶対なるね」

くすくす笑いながら未来の子供について話し合う。

割と2人ともネガティブだから子供はネガティブのサラブレッドになるなとか、僕に似た女の子見てみたいって春樹が言ったり、春樹に似た娘だと可愛いよって言ったらそれは妬くからダメって春樹が言ったりとか。

凄く楽しかった。

「なあ、名前考えよ」

「まだ出来てないのに?」

「いいじゃん。候補決めんの!」

春樹はノートとペンを持ってくる。

「2人の名前もじって入れたい」

「……冬樹(ふゆき)」

「冬に、私の名前の樹?」

「うん」

1つ目の候補。冬樹。

「うーん、あ、洵菜(じゅんな)!」

「女の子になっちゃった」

「あはは!」

2つ目の候補。洵菜。

「あ、これは?春風って書いて、春風(はるか)」

「かっこいいじゃん!女の子でも男の子でも行けそう」

3つ目の候補。春風。

そして、

「洵太とか可愛くない??」

「なんかやんちゃそうだね」

「私達の子供でやんちゃって突然変異じゃない?」

「春樹結構やんちゃだよ?」

「おお?喧嘩売ってんのか」

4つ目の候補。洵太。

他にも候補は色々出たけど、僕達はこの4つが印象に残っていて、そして、結婚した未来でちょうど4人の子供に恵まれるのである。


ーつづくー