泣きじゃくっていたら、凛ちゃんに抱き締められて、背中をポンポンと叩かれた。
暫く泣いて、落ち着いたら、凛ちゃんに、話して、と言われた。

私はスカウトされたこと、そして、明明後日には沖縄を発つことを凛ちゃんに告げる。

凛ちゃんは、黙ったままだった。
私も言葉を発しない。
あの海の日以来の、重たい空気。

あの日以上の、重たい空気。

別れたく、ないよ……。
凛ちゃん。

心の中で、強く思った。

「なぁ、ひな」

ビクッ

凛ちゃんが言ったとき、私の体は、外から見て解るほどに揺れたと思う。
それに気づいたんだろう、凛ちゃんは私をそっと抱き締めた。

「ひな……?」

その暖かさが、嬉しくて、切なくて。
溢れる涙が止められなかった。

「凛ちゃんっ、凛ちゃん!!」

凛ちゃんの体にしがみつくようにして、私は声を荒げる。

「別れたくねーらんっ……。
凛ちゃん、わん、わんっ……」

ポン ポン。
凛ちゃんが、また、私の背を叩いた。

「わんも、別れたくねーらんさぁ」

その一言が救いだった。
中学で、束縛を嫌うとか、軽いとかの噂が立っていて、私も半ば、そうだと思ってた。
高校では、それが落ち着いたんだって、思ってた。

別れたくない。
その一言は、禁句、だった。

でも、凛ちゃんも、そう言ってくれた。
少なくとも、私は、他の女の子たちより、断然特別な存在なんだ。

私は、凛ちゃんの、特別な存在なんだ。

そう思えた。






凛ちゃん、私、今なら言えるよ。

本土に行っても、私たちはきっと、今まで通りの私たちでいられる。

そう、信じてる。