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凛ちゃんへ
久しぶり、凛ちゃん。
私の夢の為に離れてしまったけど、君は、今も元気ですか?
私は毎日元気です。
私が島を出ることを凛ちゃんに言えたのは、島を出る三日前になってからだったよね。
しかも、凛ちゃんから「言って」、って言われなくちゃ、私はきっと当日まで言えなかった。
あの時は言えなかったけど、私の気持ちを少し、聞いてください。
自分で決めたことだったのに、信じられなかったの。
凛ちゃんと離れて、東京に行くなんて、信じられなかった。
でも、前日に凛ちゃんとの思い出の海岸で散歩をしたとき、もう凛ちゃんとはこうして歩けないんだって思った。
怖くなった。
本当に、一人で大丈夫なのか、とか、余りにも無謀すぎるんじゃないか、とか。
とにかく、怖くなった。
もう凛ちゃんに触れられないと思ったら、涙が溢れた。
海を見つめていた凛ちゃんには気付かれないように、って思って声を殺していたけど、きっと凛ちゃんは気付いていたよね。
妙なところでいつも鋭いから。
学校じゃあ一匹狼で通っていたし、なかなか人に素を見せない凛ちゃんだからこそ、心を許してる人には敏感だったのかな、と今になって思います。
凛ちゃん、私は今、とても充実した生活を送っています。
上京して、すぐ人気が出たことは、正直嬉しい限りです。
もしかしたら、うちなーぐちで歌うことが話題になってるだけかもしれないけど…。
でも、凛ちゃんが毎日使っているうちなーぐちを仕事に出来ることは私にとって誇りでもあります。
うちなーぐちを知らないうちなーんちゅが、そしてやまとぅんちゅが、うちなーぐちに興味を持ってくれれば、私も歌っている意味が有るのかな、と思います。
来年、私はうちなーに帰ります。
うちなーとやまとぅを行き来する生活になると思います。
やっぱり、うちなーぐちの歌を作るには、うちなーで暮らした方が、私にとっても楽だから。
だから、凛ちゃんに一番に会いに行くから。
凛ちゃん。
私を待っていてくれますか?
私は凛ちゃんに会いに行ってもいいですか?
凛ちゃんに会いに行く資格を、私は持っていますか?
もし、私に会いに行く資格がなかったらメールでいい。
来るなって言ってください。
最後に、ずっと凛ちゃんに言えなかったことがあります。
わん、凛ちゃんぬくとぅ、しちゅんよ。
でーじしちゅん。
世界でいちまん、かなさそん。
ひなより