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その次の日の、夕方だった。
「あ、凛ちゃん!
ちゅー、ゆいと裕次郎君来るって!」
「しんけん?」
「しんけんっ!
式について話したいって」
あー、そっか、と呟いて、俺は頭をかいた。
あ、絵の具付いたかも。
最悪だ。
「凛ちゃん」
「ぬーがや?」
聞くと、ひなはふわりと微笑んだ。
「ケーキ用意しちょったんばぁよ、ちゅーぬ夕食後に」
「おー、楽しみやっし」
ひなの作るデザートは格別。
甘さ控えめだし。
だから素直に喜んだら、ひなは舌をちろりと出した。
「でね、ゆいと裕次郎君ぬ分はねーらんの」
「あいっ?」
「ちゅー来るとはうむわんかったから、わったーぬ分しか作ってないんばぁよ。
やくとぅ、二人で食べよう?」
ひながそう言って笑うから、俺も一緒になって笑った。
「おう、食うか!」
やっぱり、こうした二人の時間は幸せだと改めて実感した。
その後すぐに食べたひな特製のケーキはやっぱり美味しかった。
「まーさん」
そう言ったら、ひなは嬉しそうに微笑んだ。
「凛ちゃんぬお祝いやっし、心込めたんばぁよ?」
「わんぬ?」
聞いたら、ひなは頷く。
「凛ちゃんぬ絵が、わんぬジャケになったお祝いやっし!」
あぁ、もう。
そんな笑顔で言われたら、どんなもやもやだって簡単に消え去っていくんだ。
目一杯、内助の功をしてもらったことに再び感謝してから、俺はケーキにフォークを刺した。