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数日後、裕次郎とゆいから、式場が決まったことを知らせるメールが入っていた。
それと同時に、大橋さんからの着信。

慌てて出てみたら、のんきな声でおはよ、と言われた。

「おはようございます。
どうかしましたか?」
「あのね、今日の朝の会議で決まったことを知らせるわ。
会議で、正式に決まったことよ」
「は、はい」

挨拶の割りに、真面目な内容らしい。
俺は姿勢を正した。

「ひなのこれからもシングル、アルバムライブDVDその他。
貴方に挿し絵やらパッケージやらを、描いてほしいの」

………まじで?

否、前もこんな話でたけど、あの時はまだもしもの話で、現実の話じゃなかった。

「本当に、ですか?」

これで嘘よー、なんて言われたら安心すると共に、泣くぞ、ちょっとだけ。
そう、ちょっとだけ!

「安心なさい。
現実の出来事よ」

俺の心を見透かしたように、それはもう頼れる声で大橋さんは言った。

「っ、」

やべぇ、どうしよう。
俺、幸せすぎるんじゃねぇ?

「よろしくお願いします、大橋さん…」
「いえいえ。
今度、こっち来た時に、担当紹介するわ。
来るときは私に一報入れること!
いいわね?」
「はい!」

ひなにプレゼントを贈ることに決めた。
何か買って帰ろう。
誰になんと言われても、嬉しかったのは事実だから。



宝石かパワーストーンか悩んで、結局ひなの好きなパワーストーンに決めた。

「何かお探しですか?」

店内を彷徨いてると、店員に声を掛けられる。

「ちょっと、プレゼントを…」

そう呟いて、近くにあったネックレスを手にとる。

「彼女にプレゼントされるんですか?
でしたら、こちらの形のものはいかがですか?
この石は、恋人に送ると一層愛が深まると言われているんですよ」

店員は俺に一つのネックレスを差し出してそう言った。

彼女、か………。
彼女じゃなくて、奥さんなんだけど、と思いながらも話を聞いて頷く。

にしても、“ムーンストーン”、か………。

「くぬ石、他ぬ形ぬ……ネックレスやないんばぁ?」

聞くと、笑顔で他のネックレスを見せていく。

2コ目、3コ目、4コ目。

そさて、その次、だった。

5コ目に差し出されたネックレスが、余りにも綺麗で。
俺は目を奪われた。

「すみません、くりで」
「こちらでよろしいですか?」

確認するように聞かれて、俺は頷く。
プレゼント用の包装を頼んで、会計を済ませた。

「こちらのデザイン、大人気で残り1点だったんですよ」

包装しながら、店員は言った。

「はーや」
「女性からは特に人気のデザインで…。
きっと彼女さん、喜ばれますよ」
「だとゆたさんさぁ」

店員の優しい言葉に、ひなの反応を考えてみたら、それだけで胸が一杯になる。

喜んでくれたら…。
それだけで、嬉しい。
笑ってくれればいい。

そう思うのは、決して我が儘じゃないはず。