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家に帰ってからいつも通り美味な夕食にありつく。
あー、やっぱり幸せだ。
最後の晩餐を選べるなら俺は絶対にひなの手料理を選ぶな、うん。
そう呟いたらひなは、じゃあ私は凛ちゃんの料理を選ぶ、と笑った。
くそう、可愛い。
「あ、ひな」
食器の片付けを始めるひなを制止して、俺がやる、と言った。
「あぃっ?
でも、夕食ぬやわんぬ当番さぁ」
「ゆたさんから、な?」
そう言って笑えば、
「ぬーが、珍しい凛ちゃん!」
と微笑まれた。
ひなの当番である片付けを終えて、俺はテレビを見ているひなの隣に座る。
「お疲れさま」
ふわりと笑ったひなに、缶チューハイを渡す。
俺は缶ビールを景気の良い音を立てて開けた。
「決まったんばぁよ」
そう呟いたら、何が、と問われる。
「ある意味、やーと仕事していくくとぅが」
きょとん、とした表情のあと、ひなはぱぁ、と花が咲いたような笑みを浮かべた。
「じゃあっ、凛ちゃん!」
「おう、やーぬCDとかぬジャケ、わんがやるくとぅんかいなったさぁ」
きゃーっ、と叫びながら抱きついてきたひなを抱き止める。
「どうしよっ、でーじ嬉しいっ!」
「わんもさぁ。
で、くり」
ひなから少し離れて、後ろポケットに入れといた箱を差し出す。
ひなは驚いた表情で箱と俺の顔を見比べる。
「くり、ぬー?」
「感謝ぬちむぐくる」
イラストの売れる道を開いてくれたのは、ひなのお陰だから。
だから、これをひなにあげたいと思った。
「受け取って」
そう言ったら、ひなはまた笑って、にふぇーでーびる、と言った。