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本音で言えば、五人の写真をプリントアウトしたかった。
ずっと懐に入れて携帯していたかった。
けれど、私がこれをわかりやすく所持しない方がいいだろう。
研にぃたちと接点ができても、降谷さんたちと接点がなくても。
あの組織に目を付けられる立場になったらシャレにならない。

パソコンにロックをかけて保存する。
ロックをかけた中に、両親から送ってもらった子供の頃の写真を入れて、まるで自分の記憶に鍵をかけるように。
その中で、いくつかを画像編集の拡張に変えて、レイヤーで隠す。
私に思いつくレベルのセキュリティなんてそれしかないけど。
ちなみに、ガラケーの方はあえて自分から削除はしなかった。
ここで「削除した」という記録が残るのも避けたかったためだ。

あぁ。
笑ってる。
大好きな、このひとが。
大切なこのひとたちと、笑ってる。

それだけのことが、嬉しい。

今日送ったヒントは「あしおと。」。
今がガラケーからスマホへの変化期で助かった。
パスワードもだし、今日写真を貰えたことで送信数1件消去した分が戻っている。
送信BOXが満杯タイプの人でも埋められたから気付くことはないだろう。

メールは届くけど返事はないと言っていたから、疑問に思っても研にぃに返事をすることはないはずだ。

諸伏さんが亡くなったのは松田さんと伊達さんの間の12月7日。
来週か、来年か。
来年も研にぃがガラケーだったら、同じことを送らせてもらうつもりだけど…。

でも、12月7日を過ぎても、彼が生きているのか。
それとも、助けられなかったのか。
それがわからないのが問題だ。

もし、助けられなくてヒロが亡くなっていたら、二通目の「あしおと。」で降谷さんが自分の過ちに気付いてしまうかもしれない。
それだけは避けたかった。

どうにか私が把握できる手立てはないだろうか…。

「あーぁ。
私がもう少し頭よかったらなぁ…」

この二週間で色々思い出そうと努力して、同様にロックをかけて色々保存しているけれど。
自分の無能さが嫌になる。

今、私があのひとを見ることはこの写真いちまいしかないけれど。
一生会えることはないのかもしれないけれど。

それでも、あのひとの為に何かがしたかった。
それがただの自己満足だとしても。