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コナン君が関わると、状況は一気に変わっていく。
次の日にはいくつか判明したことがあり、降谷さんもその確認に忙しそうだ。
既に概要を知っているせいか席を外すように言われることはなかったが、研にぃ、松田さん、そして風見さんがたくさんの機材を持って来たときは流石に声を掛けられた。

「ひなちゃん、やっほ」
「研にぃ…」
「これから爆弾を解体します。
力は尽くしますが、成功するとは限りません。
…どうされますか」

風見さんひとりだったら、集中力を欠かせてはいけないと思って退席したかもしれない。
それでも、ここには研にぃも松田さんも居る。
この二人が居て、降谷さんと風見さんが居て、不可能だなんてことがあるわけないのだ。

「ここに、居させてください」

研にぃと松田さんがにっと笑う。

「さーてと、公安サマの手助けでもするか。
ボーナス出るんだろうな」
「妹からの感謝が十分ボーナスだろ?陣平ちゃん」
「そんなんお前とヒロだけだっつーの…」

風見さんと松田さんが中に入り、首輪爆弾を解体し始める。
手元の資料を見ながら二人の作業をチェックしているのが研にぃだ。

三人が命を掛けているのだ。
私は邪魔をせず見守ることしか出来ないが、バクバクと心臓が耳元で音を立てている。
その心音に潰されそうだ。

どれ程の時間が経っただろうか。
降谷さんの首からは爆弾が外され、その首輪爆弾はそのまま再生された。
そして、知らなければ何故、と思うが、知っていればなるほど、と思ってしまう、降谷さんに手渡されたそのレプリカ。
私としては何に対しても突っ込まないのが自衛だ。

「風見。
中和剤の作成を急がせろ」

ガラスの部屋から出てきた降谷さんが、レプリカの首輪爆弾を手に持ちながら風見さんに言い残した。
本物はひとまずここに置いていくようだ。

「データを改めて僕に送ってくれ。
全て洗い直す」

詳細までは流石に覚えていないが、少なくとも明日、彼はプラーミャがチャーターしたヘリコプターに乗り込んで式場まで向かうのだろう。
どうして運転できるんだろ、とか考えちゃいけないんだろうなぁ…。
降谷さんに出来ないことってあるのだろうか。

そう思ったことを意識の外に飛ばして、降谷さんの背を見つめる。
部屋を飛び出そうとした降谷さんがエレベーターの手前で一度、私の方を振り返った。
一瞬何かを言おうとその表情を崩した彼に、私は笑って伝えよう。

「いってらっしゃい」

彼は目を丸くしたあと、口角を上げていってきます、と言い残して去っていった。
降谷さんの家でお世話になっていた時にも何度か言った言葉ではあるが、なんとなく、あの時よりも彼に届いた。
そんな気がした。

「…どんな気分?
オニーチャン」
「愛しさと切なさだよ、じんぺーちゃん…」
「…何言ってるの、ふたりとも?」

変なやり取りをしてる二人をじっと見ると、二人は別にィ、と投げやりに返事をした。



その後、私は初めに寝かされていた部屋で待機となった。
降谷さんが居ない以上、地下にいる理由もないので不満もない。

ヘリに乗って犯人の元へ向かい、墜落するヘリにビルから飛び移って乱闘。

ないわぁ。
彼の偉業を思いつつ思ってしまったことは許して欲しい。
いや、当時はね、危ないと思いつつもカッコイイなぁって見てたけど。
ビルからヘリに飛び移るのはさ。
ただの、自殺志願者の図だよね?

なんて現実逃避をして丸一日。
風見さんが姿を現した。

「二城さん、お待たせいたしました。
無事犯人確保できたので、お送りします」
「ありがとうございます、風見さん」

彼は自宅まで送ってくれようとしたが、私は渋谷駅をお願いした。
風見さんはえ、と呟いた後に渋谷の現状を教えてくれる。
優しい人だなぁ、と思わず口角が上がった。

「まだ交通網など復帰してませんが、大丈夫ですか?」
「はい。
皆が守った街を見たいんです」

そう言うと、彼はきょとん、とした後、少し嬉しそうに承知しました、と笑った。