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地元に戻ってから、私は真っ先にひなの家に向かう。
結婚したばかりでまだまだあっつあつの二人が居る家に行くのもどうかと思ったけど、取り敢えず今くらいは自分優先。
それに、中学の時に、私が彼を好きだったのを知ってるのはひなだけだった。
とにかく報告したかった。
チャイムを鳴らすと、バタバタという足音が響く。
「はい?」
開いた扉の隙間に見えた顔は、随分と懐かしいように思う。
「久しぶり、平古場君」
「ゆい」
「ひな、いる?」
「あー、わっさん。
ひな、なま本土んかい居るんばぁよ。
撮影あるらしくて」
頭をがしがしと掻きながら、平古場君は言った。
「そっか、なら仕方ないさぁ。
またちゅーさ」
「わっさん。
ひなんかいや伝えとくさぁ」
よろしく、と言ってから、私は家を出た。
残念、と少ししょんぼりしてしまう。
ひなに一番に伝えたかった。
昔、好きだった甲斐君と、最近、しょっちゅう会ってたんだよって。
なんか、もしかしたら言えるかもしれないの。
あの時からずっと、貴方の事が好きですって。
そう言ったら、甲斐君はどう反応するんだろう?
甲斐君がこっちに戻ってくるまで、あと3週間。
待ちきれない、なんて、大人げなさ過ぎるかな?
唯働いて、家に帰ったら必要最低限の事をして眠りにつく。
そんな日々が続いた。
甲斐君が帰ってくる日が、いつの間にか、明日に迫っていた。
私は、明日告白しようと心に決めていた。
甲斐君に会えなかったこの3週間が無駄に長いものに思えて仕方がなかった。
もう、多分、このまま会えない日々が来ることは耐えられない。
会えない日々が続くのは、フラれたときがいい、なんて。
自虐的過ぎるかな?
仕事が終わってからすぐさま携帯を開くと、30分前にメールが入ってる。
甲斐君からだ。
『くりから会える?』
その時に、私はすぐさまたった一言で返した。
『もちろん!』
甲斐君、甲斐君。
今更ながら遅いかもしれません。
でもね。
これから、全部言うよ。
昔、私がどれだけ貴方が好きだったか。
今まで、どれだけ貴方が心に居たか。
今日まで、どれだけ貴方を想っていたか。
そして最後には貴方にはっきりと、私の言葉で想いを伝えるから。
だから、聞いていてください。
私の言葉を。