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「うそつき」
そう言った彼女は、バランスを失くした足を折って床に崩れ落ちた。
心臓を狙えと言った彼女の言葉に背いて、足を撃った。
すぐに手刀を入れて彼女の意識を奪うと、僕は部下にデスクトップの移動と、彼女の治療、警察庁に連れていくよう指示をした。
殲滅戦の現場の指揮を終えたあと、彼女を寝かせている部屋に向かったがまだ目を覚まさないようだった。
彼女の髪を手にとって、さらさらとベッドに零す。
白いシーツにバラついた彼女の黒髪を暫く見つめたあと、僕は部屋を出た。
彼女の残したデータを見て、ヒロや明美、他にも死んだとされていたNOC達の一部の生存が判明した。
その事で亡くなったNOCと共に失われたと思われた情報も次々と表に出て、それは紛れもなく彼女の功績となっている。
ひとつ、決断をしたのは、彼女の足を撃った時だった。
元より昇格には興味が無い僕は、上層部の散々の静止を振り切って、コトを進めた。
足を撃っただけだが、心労のせいか、全てが終わるまで彼女が目を覚ますことはなかった。