久々知平助の豆腐講座!の段



校庭では教室から慌てて飛び出した三人がいた。
校門まで行こうとする三人だったがふと、きり丸が足を止めて乱太郎に言う。

きり丸「乱太郎、今日アルバイト中止」
乱太郎「きりちゃん!キュウにどうしたの?」
しんべヱ「僕の子守するの嫌なの?」

と遠慮気味に聞いてくるしんべヱに苦笑いしながら「違うよ」と答える。

きり丸「なんか、他の忍たまたちが遊んでいるのを見たら‥‥アルバイトする気がなくなっちゃった」

と恨めしそうに見つめるきり丸に意外そうにみる乱太郎
乱太郎「へぇ〜珍しぃ〜」
しんべヱ「いや、その気持ちわかる!うん、うん!」

と腕を組んで頷くしんべヱに苦笑いする乱太郎
乱太郎「しんべヱ、アルバイトしたことないのによく言うよ」

とあははと笑いあう三人。しんべヱに声をかけたのは?

「‥‥乱太郎、きり丸、しんべヱ」

乱太郎「あ、!貴方は五年い組で火薬委員副委員長の久々知平助先輩!」

しんべヱ「頭がよくて成績優秀なんですよね?!」

と二人からの思わぬ誉め言葉に照れる平助
平助「やめてくれよ照れるじゃないか‥‥」

乱太郎が「でも‥‥」と付け足すとそれが気になるのか平助が「でも‥‥なんなの?」と尋ねる

きり丸「豆腐のことに矢鱈詳しくて」
しんべヱ「豆腐料理が大好きで」
乱太郎「通称、「豆腐小僧」‥‥」

ととどめを刺すかのように言う乱太郎に苦笑いしながら訴える平助

平助「うぅ、‥‥その呼び名はやめて‥‥」

乱太郎「それで?久々知先輩‥‥私たちに何か用ですか?」
平助「あ、‥‥そうそう!ふと食いしん坊のしんべヱがどんな豆腐が好きなのか気になり始めたら止まらなくなって!」

きり丸は小声で「結局豆腐の話だよ」とぼやく。
平助「しんべヱ、木綿豆腐と絹でではどっちがすき?」
しんべヱ「豆腐のおめん?」

乱太郎「しんべヱ‥‥お面じゃなくて、「も・め・ん」」
しんべヱ「あ、そう」

平助「木綿の布三がついたちょっと硬いのが木綿豆腐

きめが柔らかくて細かいのが絹豆腐‥‥」

しんべヱは嬉しそうに「どっちも好きです」と答えると「あはは」と笑う平助。

平助「そうか!湯豆腐と冷ややっこと‥‥」
と話し続ける平助をみて乱太郎は小声できり丸と話す

乱太郎「久々知先輩は、豆腐のことは矢鱈詳しいから止まらなくなっちゃうって‥

‥同じ火薬委員の伊助が言ってた」

きり丸「‥‥もう、遅い‥‥始まっちゃった」


平助「しんべヱ、そもそも豆腐は大豆からできているっていうのは知っているね?」

しんべヱ「知らなかった!お豆腐はお豆腐の花が咲いて

そこからお豆腐の実が出来るんだと思ってました」

平助「あは!しんべヱ‥‥それは違うよもっと勉強が必要だな」

しんべヱは真剣に「はいはい」と頷き答える
平助はそれに答えるかのように優しく「辞書で調べてごらん?」と語り始める

平助「ちなみに、この時代で「豆腐」を調べる時は「とうふ」じゃなくて「たうふ」だからね!」

と豆腐講座が始まりそうなのを見越して二人がついに行動に移す。しんべヱを両脇で抱えて離れようとする

きり丸・乱太郎「「しんべヱ、行こう!!」」
しんべヱ「乱太郎、きり丸!!どうして僕を両側から押さえんの!!」

きり丸・しんべヱ「「久々知先輩また今度聞かせてもらいます!!それぇ〜!」」

と二人はあわただしくしんべヱを連れ去って一人取り残された久々知は「はっ!」と我に返ったように一人呟く

平助「‥‥また、豆腐について語ってしまった‥‥

はぁ〜俺はどうしてこんなに豆腐に詳しいんだ‥‥」

と落ち込みながら歩き出す平助がいたとは三人は知らない。


2019/02/09