斎藤タカ丸と平滝夜叉丸の段!



別の場所へ移動した乱太郎達は息を切らしながらしんべヱを持ち上げていた為か限界が来たようで二人して「あぁ〜重い」と言って乱暴に投げ出した

その衝撃でドスンという音がした。
しんべヱは強い衝撃を受けたお尻をさすりながら涙目になりながらも「ちょっと‥‥お尻…いたぁ〜」と呟いた。

するとどこからか「どうしたの?」と声をかけてきた
振り返ると四年生の「斎藤タカ丸」がいた。

乱太郎「斎藤タカ丸さん」
きり丸「流石元髪結い右手にハサミ左手にくしを持ってる」

タカ丸「チョキチョキ、学園長先生の髪を結いに行くんだけど‥‥その前に君たちの髪を結ってあげようか?」

乱太郎「いいんですか?学園長先生がお待ちじゃないんですか?」

タカ丸「うん!ちょうどためしたい髪型があったんだ

かっこよくしてあげるよ!」

彼は四年生だが歳は15歳。六年生と同い年でありながら元髪結いの職業を目指していた忍術の腕はまだまだということで四年生に編入した生徒である。

滝夜叉丸「誰がカッコいいって?」
きり丸「で、出た!滝夜叉丸先輩」

滝夜叉丸「で、出た!っとはどいうことだ?」
乱太郎「い、いえ!別に深い意味はありません汗)」
きり丸「ありません、ありません」
しんべヱ「そうそう」

滝夜叉丸「そうか、そうだろう‥‥幽霊じゃあ、あるまいし何をやらせても超一流で優れたる平の滝夜叉丸に向かって

で、出たー!はないからなぁ〜」

と満足げに腕を組みながら言う滝夜叉丸に対してきり丸は微妙な表情をしながら小声で愚痴を言う

きり丸「さっそく、滝夜叉丸先輩お得意の自慢話が始まりました」

乱太郎「きりちゃん!!」
きり丸「わかってるよ!」
滝夜叉丸「おぉ〜そうかそうか、わかっているか

この滝夜叉丸が学年トップだということをふふ〜ん
わかっていればよいのだ‥‥わかっていれば
それで‥‥誰がカッコいいって?」

きり丸「それは勿論滝夜叉丸先輩です!」
滝夜叉丸「なに?!」

きり丸「文武両道しいれ何をやらせても超一流」

滝夜叉丸は満足げに「うんうん」と頷いている
その光景を見て乱太郎としんべヱが唖然としている

乱太郎「きり丸がただでお世辞言っている!」
しんべヱ「信じられません」

きり丸「加えて教養もあって歌舞音曲の才能も素晴らしい〜!」

滝夜叉丸「そうだろう!そうだろう!」
きり丸「戦輪の腕はもう芸術の域!」
乱太郎「きり丸‥‥何か企んでるな?」
しんべヱ「僕もそう思う」

きり丸「滝夜叉丸先輩最高〜!」
滝夜叉丸「そうだろ〜!そうだろう〜!」

きり丸(これだけ煽てればもう自慢話を聞かなくてすむぞ)

と心の声が聞こえた。

滝夜叉丸「きり丸‥‥そこまで私のことをわかってくれているとは!!」

と肩を叩きながら涙目になる滝夜叉丸。
きり丸「いえ、それほどでもありません」

滝夜叉丸「なに?!そうか…ならば私がとっておきの話を聞かせてやろう‥‥」

きり丸「へ?」

そのやり取りを見ていたタカ丸は

タカ丸「話が長くなりそうだね‥‥僕は学園長先生を待たせしちゃいけないから行くね?

じゃ!チョきちょき」

とはさみをカチカチならしながら学園長先生の所へ歩いていったタカ丸をみてきり丸が涙目になりながら去っていった方向へ手を伸ばす

きり丸「あぁ〜タカ丸さん!おいていかないでぇ〜涙目)」
しんべヱ「あぁ〜結局滝夜叉丸先輩に捕まっちゃった」
乱太郎「策士策に溺れる‥‥」

しんべヱ「自慢話よりお豆腐のお話の方がよかったなぁ~」

そんな乱太郎達の気持ちを知ってか知らずか、話を続けようとする滝夜叉丸に声をかけたのがしんべヱだった。

滝夜叉丸「では‥‥改めて‥‥」
しんべヱ「滝夜叉丸先輩!」
滝夜叉丸「ん?なんだ?しんべヱ」

しんべヱ「滝夜叉丸先輩より六年生の先輩のほうがカッコいいと思うんですけど!」

滝夜叉丸「無論‥‥尊敬する六年生の先輩方はカッコいい…

だが、戦輪の腕にかけてはこの滝夜叉丸が忍術学園1と言っても過言ではあるまい!」
しんべヱ「本当に六年生よりすごいんですか?」
滝夜叉丸「そう!間違いなく忍術学園ナンバー1」

乱太郎「いいんですか?そこまで言っちゃって‥‥」
滝夜叉丸「いい!この滝夜叉丸が許す!」

乱太郎「いや、そういう問題じゃないないと思うんですが」
滝夜叉丸「いや、そういう問題だ!」

そんな会話をしているとどこからかもう一人の声が聞こえてきた

「どいう問題だって?」

いけいけどんどーん!と現れたのは六年生体育委員長の「七松 小平太」だった。

乱太郎「あ、体育委員長の七松小平太先輩!」
滝夜叉丸は思いがけない人物の登場に「うぅ」と縮こまる

小平太「何の話をしているんだ?」
しんべヱ「あのですねこの滝夜叉丸先輩が自分は六年生の先輩よりもカッコいいって!」

小平太「‥‥なに?」
空気が少し重くなるのを感じ取った滝夜叉丸は冷汗を書き始めた。

滝夜叉丸「あ、…いや」

乱太郎「自分こそ忍術学園1とも言っていました」
しんべヱ「そう言い切っても問題ないって」

二人の思いがけない言葉の発言に戸惑いと焦りを隠せない滝夜叉丸は小平太の表情をうかがうとドンドンと眉間に皺を寄せ居ていく。

滝夜叉丸「乱太郎、しんべヱ?!」
きり丸「六年生よりカッコいいっといって問題ないってことは‥‥文武両道しいれ何をやらせても超一流で教養もあって歌舞音曲の才能も素晴らしくすべてが六年生より優れてる…ってこと?」

滝夜叉丸「そ、そこまでは言ってないだろう汗))」

小平太「ほぉー」
滝夜叉丸「あ〜ははは‥汗)〜七松先輩‥‥そうじゃなくて‥‥ですね?」

きり丸「あぁ、それから!」

滝夜叉丸「余計なことをいうな!」
きり丸は「余計なこと言わせてもらいます」とすっぱりと拒否をする。小平太は「きり丸なんだ?」と尋ねる

きり丸「滝夜叉丸先輩は六年生の方々を‥‥」

何を言い出すのかドキドキしながら祈りながら「お願い!」と強く訴える。

きり丸「尊敬しているそうです」

まさかの誉め言葉が出て思わずずっこける滝夜叉丸だったが
きり丸の言葉を聞いて小平太が「う〜ん」と顎に手を当てて考え出す。

すると上空から「ギンギーン」という声が聞こえてきた
それともう一つ「うわぁ〜!!」という悲鳴に近い声も聞こえてきた

文次郎「小平太何をしている!」

華麗に着地を決めて出てきたのは六年生の塩江文次郎と同じ六年生の夜神 蒼真だった
蒼真は何故か文次郎に脇に抱えられて現れた。

乱太郎「あ、忍術学園1!ギンギンに忍者している塩江文次郎先輩!

それに忍術学園の中では先生たちと互角と噂の忍術の使い手で
忍術に関しては忍術学園1と言われている「夜神 蒼真」先輩!!」


しんべヱ「えぇ〜!忍術学園1?!

忍術学園1は滝夜叉丸先輩じゃないのぉ〜?」
と純粋に尋ねるしんべヱに「蒸し返すなよ」と冷汗が止まらない様子の滝夜叉丸。

ようやく降ろしてもらえた蒼真は「はぁ‥‥はぁ」と息を切らしていた。

文次郎「‥‥なんだ、蒼真もうばてたのか?

まだまだ、鍛錬が足りんな」

「誰のせいだ!誰の!いきなり僕を掴んで駆け出すな!」

と言い合いをしている二人。
どうやら蒼真はまた、文次郎の鍛錬に巻き込まれたらしい。

文次郎「‥‥で?何が学園1だって?」
「‥‥ん?」

きり丸「一人しかいないはずの忍術学園ナンバー1の座を巡って塩江文次郎先輩と夜神蒼真先輩と平滝夜叉丸先輩が激突?!

どちらが真のナンバーワンかついに、真を決するときがきたのか?!」

滝夜叉丸「いいかげんにしろ〜!」
文次郎「なんだなんだ?」
「‥‥っていうかきり丸‥‥何故そこで僕を巻き込んだ」

と突っ込みを入れる夜神。文次郎に至っては何が何だかさっぱりわからない様子。

小平太「文次郎、蒼真!何でもこの滝夜叉丸が忍術学園で何でもナンバーワンなんだそうなんだ」

文次郎「な、‥‥なん‥‥なん、なんだ?」
「文次郎‥‥なんなんうるさいぞ」

文次郎「うるせぇ!」

滝夜叉丸「なんでも、ありません汗)」
文次郎「滝夜叉丸お前は少し黙ってろ!」

いきなり制止されたので「は、はィ…」と小さくなる滝夜叉丸‥‥‥を無視して小平太が続ける。

小平太「つまり、滝夜叉丸は私たち六年生より忍術の腕がすぐれているそうなんだ」

文次郎「なに?!それは俺達に忍術の実力がないという意味かな?それは聞き捨てならん」

「‥‥え」

何だかめんどくさいのにまた巻き込まれたな〜と一人違うことを考えていた蒼真であった

滝夜叉丸「だ、誰もそんなこといってませぇ〜ん‥‥うわっ!」

突然滝夜叉丸の近くには縄標(じょうひょう)が飛んできたことに驚いた。

乱太郎「あ、縄標(じょうひょう)だ!」
きり丸「縄標(じょうひょう)の使い手といえば我らが図書委委員会員長の中在家長次先輩」

乱太郎「もしかして、縄標(じょうひょう)を使わせれば忍術学園1?!」
しんべヱ「またでた、忍術学園1?!」

あえて忍術学園1?!を強調する三人に滝夜叉丸も涙目で「もうやめてぇ〜!」と密かに訴えていた。


長次「本の返却は早い目に‥‥えへへへ」
「長次‥‥なんでそこでいまそれを言うかな‥‥」

と少し呆れながらも突っ込む夜神。
乱太郎「中在家先輩が笑った!」
しんべヱ「ぶきみぃ〜!!」

何気にこの二人酷いいいようだなぁ〜と苦笑いしながら三人の近くにいた夜神が聞いていた。

文次郎「長次‥‥笑っている場合ではないぞ?」
長次「‥‥すまん」
小平太「この、滝夜叉丸が」
長次「滝夜叉丸?」

まさか自分の自慢話に思わぬ誤解で七松小平太と塩江文次郎そして忍者の技量頭脳は先生以上ともいわれている才能を持つ夜神蒼真と中在家長次の四人が加わるとは思いもよらずに滝夜叉丸の思考は冷汗がどんどん溢れてきていて泊まることを知らずにいた。

滝夜叉丸「中在家先輩誤解なんです!」

必死に弁解しようとする滝夜叉丸を邪魔するかのようにしんべヱがボケに入る

ピンポーン
しんべヱ「五階は家具売り場でございま〜す…なっつって!」
乱太郎「しんべヱ!」
しんべヱ「失礼しました」

きり丸「先輩方続きをどうぞ」

長次「改めて‥‥誤解?」
滝夜叉丸「そうそう、五階は家具売り場で‥‥って‥‥あぁ〜!」

まさかのしんべヱの言葉につられて言ってしまった言葉bに思わず口に手を当てて顔を青ざめる滝夜叉丸

小平太「滝夜叉丸、やっぱり我々六年生をバカにしているな?!」

文次郎「勝負だ、滝夜叉丸!」
長次「えへへ」

乱太郎「あぁ、あの中在家先輩の笑顔は?!」
きり丸「あの、笑顔は危険だ」
長次「えへへ」
「長次‥‥そんな目で見てやるなぁ‥‥」

さりげなく滝夜叉丸をカバーするが滝夜叉丸は怯えながら「そんな目でみないでください」と訴えるがさらに笑みを深くする

乱太郎「なおも笑った!」
しんべヱ「二回‥‥二回も笑っちゃいました」
滝夜叉丸「そんな説明している場合か!兎に角、乱太郎、きり丸、しんべヱ‥‥助けて!?」

きり丸「ただじゃいや!」
どこまでもぶれないきり丸に呆れながら震える声で「きり丸‥‥」と低い声でいう乱太郎。

滝夜叉丸「元はといえばお前たちが紛らわしい言い方をしたせいだろうが?!」

文次郎「滝夜叉丸往生際が悪いぞ?」
乱太郎「先輩‥‥もう、勘弁してげてください」
小平太「いや、お前たちは引っ込んでろ」

「「「わかりました」」」

庇ってくれるのかと思っていた三人にあっさりと裏切られて思わず滝夜叉丸は「素直に引っ込むな」と突っ込みを入れる。

滝夜叉丸「兎に角乱太郎、誤解を解いてくれ」
乱太郎はいきなり「あぁ〜!」と大声を上げると三人がん?と乱太郎の方を見る。

乱太郎「放課後土井先生に職員室に来いって言われてたんだった!?」
きり丸「あ、すっかり忘れてた!」
しんべヱ「土井先生に怒られる!行こう!!」

三人は慌てた様子で職員室の方へと走っていった
滝夜叉丸「あぁ〜乱太郎〜おいていかないでぇ〜!!」
と助けを求めるが虚しくも去っていく三人。

(‥‥ん?土井先生‥‥)

「あぁ〜!!」

文次郎「おい今度はお前か‥‥なんだ?」

「文次郎、お前のせいで委員会活動に遅れちゃったじゃないか!今日は火薬委員の仕事があるのに!!」

文次郎「今日くらい別にいいだろう?!」

「よくない!僕のいる委員会はただでさえ、人が足りないんだから‥‥じゃあ、僕は行くからな!!」

滝夜叉丸「え、蒼真先輩!?おいてかないでぇ〜」

涙目で助けを求める滝夜叉丸にうぅ、と急ぎ足で行こうとする足を止めさせる。

しかし、相手が小平太と文次郎と長次だからなぁ〜
いくら天狗になる鼻をおってやるにしてもさすがにこれは可哀そうすぎるか‥‥どうみても降り出し‥‥

うぅ〜ん‥

「悪い、滝夜叉丸!皆に一言遅れることを伝えてくる!

それまではもってくれ!」

そういってその場から瞬時に消える蒼真に戸惑いを隠せない滝夜叉丸
唯一のストッパーがいなくなってしまったのだ

小平太「‥‥滝夜叉丸‥‥お前、蒼真を味方につけるつもりだったのか?」

文次郎「あいつは、困っている後輩を見過ごせる性格ではないからなぁ‥‥時期に戻ってくるだろう‥‥」

長次「その時は一時的に敵同士だ‥‥もそっ)」

小平太「それに滝夜叉丸‥お前少し天狗になっているようだな」

滝夜叉丸「え、えぇ?!」
小平太「お前の腕前を見せてもらうぞ?」
文次郎「相手になるぞ?」
長次「えへへへ」