囚われた一年生の段

僕たちはドクタケの八方斎に囚われて騒いでいると、木野小次郎丈高が現れた。

なぜか張り子の馬に乗っている。
きり丸がそのことを「変な恰好」というもんだから丈高がその質問に答える。

丈高「これか?これは縁起をかつぐもんだ、大将落馬の縁起といって、大将が落馬すると不吉だといわれておる

だから、わしは落馬しないように張り子の馬をつかっておるのだ!」

と子供たちにわかりやすいように説明をするが僕ときり丸はなんか違うなーと感じた。

きり丸「その話はちょっと違うな〜」

「……確かに」

丈高「どう違うのじゃ?!」

きり丸「左側へ落ちるのが不吉」
「右側へ落ちると吉だと聞いたことがあるような…な?きり丸?」

きり丸「うん」

丈高「なにっ?!小僧どもそれは本当か?!」
きり丸「だから、馬を乗るときは左から乗れって」

乱太郎「そうすれば乗り損なって落ちても右へ落ちるわけです」

丈高「いい話を聞かせてもらった。その方ら褒美として……」

きり丸「ほ、褒美!?」
乱太郎「くれるんですか!?」
しんべヱ「なにを!?」

「お、お前たち……今そういう状況じゃ…汗)」

現在つかまっている状況で褒美をもらわれても嫌な予感しかしない……。


丈高「地下牢へいれてやる」

「やっぱり」

僕以外の三人は縛られたまま後ろへずっこけた。
丈高「子供は素直に喜びの表現をしておる、のぉ…?八方斎」

八方斎も苦笑いしている。

こうして僕たちは地下牢へ入れられたが縛れていたロープは解かれている。

きり丸「あぁ〜腹減ったなぁ〜」
乱太郎「そういえば、朝から何も食べていなかったね〜」

しんべヱ「お腹すいたよぉ〜!」

乱太郎たちが騒ぎ始めた。
土井先生が天井から静かに降り立ってきた。

土井「そう、ピーピー泣くな!」
「「「土井先生」」」

土井「しー、」

乱太郎たちがわざとらしくずっと「しっ」と言い続けていたので土井先生が思わず「静かにしろ!!」と声を上げる。

「土井先生、大声を出せば見つかります汗)」

土井「す、すまん」

きり丸「どうやって忍び込んだんです?」
土井「お前たちが、稗田八方斎に捕まっているときに…そのどさくさに紛れて私と利吉君は場内に侵入した。」

乱太郎「ひどいなぁ〜」
きり丸「俺たちまるでだしみたいじゃないっすか」

「きり丸それを言うなら囮じゃないのか?」
きり丸「そうともいうな」

「おいおい……汗)」

土井「まぁはっきりいって……「だし」だ」

「「「「だぁ〜!!」」」」

僕までも思わずずっこけた。
土井「このように囮を使って敵を誘い出し、敵の油断に漬け込む……これを「水月の術」という」

乱太郎「水月?」

「水月とは水に移った月のこと…。即ち本物ではない偽物のもの即ち囮のことだ。」

土井「そうだ、さすがは蒼真だ」

乱太郎「私たちが水月だったんだ」
きり丸「それにひかかったのは八方斎だったのか」

「そいうこと……」

しんべヱ「かわいい生徒を囮に使っていいのか?!」←

自分でかわいい生徒って言ったな…

乱太郎「先生、それで盗まれた銃は?」
土井「それが利吉君と探しているんだがまだ、見つからん……お前たちはここに残って敵のちゅいを引きつけておいてくれ?」


「「「えぇ〜!!!」」」

乱太郎たちがぶーいんぐを上げると土井先生と僕は誰か人の気配が近づいてくるのを察知した

僕と土井先生はお互いに頷きあうと土井先生は去っていった。

しばらくしてから八方斎と丈高がやってきた。
八方斎「お前たち、歯輪銃を奪い返せと誰に命令された?」

きり丸たち「「「べーっ」」」

八方斎「ぬぅう!!かわいくない小僧どもめ」
丈高「なら、忍者同士戦ってみてはどうかな?」

「「「「え??」」」」

丈高「お前たちが我がドクだけ城に勝てば銃は返してやる」

乱太郎「負けたら?」

丈高「全員かんちょーじゃ」
「…げ、」

きり丸「蒼真知ってるのか?」

「…ま、まぁ」

しんべヱ「かんちょーってなぁに?」

丈高は今見せてやるといって八方斎の背後に回りかんちょーの構えをして思いっきりぶっさした。

八方斎「ぎょぇええ〜!!」

きり丸「ど、どうする?!」
乱太郎「これはやるしかない乱!?」

「……まぁ、大丈夫だろう…きっと何とかなる」

きり丸「蒼真!何か策があるのか?」
乱太郎「勝つ秘策とかあるの?」

「……、ない!けど…やってみる」

僕たちは先ほど侵入した庭に連れ出された。

丈高「これより、我がドクタケ忍者VS忍たまの対決を始める勝負方法は……、


障害物競争じゃ!!」


「「「「だぁあ〜!!」」」」

まさかの競技に思わず僕たちはずっこける。
隣にいたドクタケ忍者が手を上げて質問をした

ドクタケ「殿、何故障害物競争なんですか?」

丈高「お子様忍者に剣で勝っても自慢にならんだろう!」

ドクタケ「しかし、我らが障害物で勝っても自慢にならないんじゃ」

丈高「ずべこべいうなぁ〜!!」

「何気にいい人だなぁ〜」←

きり丸「蒼真〜!!」