怪我の回復の段

忍術学園にユキナが来てから早くも一週間が経とうとしていた。数日前に狼が脱走した事件で竹谷八左ヱ門とであったユキナは、時折反応に困るときがある‥‥

それは‥‥。

竹谷「おっほぉー、ユキナじゃないか!元気か?

今日もいい天気だなぁ〜!!」

とニコニコしながら声をかけてくる竹谷八左ヱ門こと、通称「八」‥‥数日前に動物たちの言葉がわかる、狼の気持ちを知らされてから必要以上に見かければ声をかけるようになったのだ‥‥

その都度甘味をユキナに渡している
まるで餌付けをしているような光景だった‥‥。

「‥‥な、‥‥で?」

竹谷「ん?」

「なんで‥‥僕にそんなに構うんですか?」

一番気になる理由を率直に尋ねた。

竹谷「何故って‥‥そりゃあ、お前と仲良くなりたいからだよ!それとここの人間たちはみんないいやつだって言うところを証明したくてな!」

本当にそうだろうか?ほかにも何か狙いがありそうだが‥‥

「‥‥そですか、‥‥本当の狙いは?」

竹谷「‥‥あわよくば、生物委員会に入ってくれないかなぁ〜なんて思ったりした!」

潔くきっぱりと正直に言い切る竹谷に顔を引きつらせた
よくわからない単語に首をかしげる

「ぅ?‥‥生物、いいんかい?」


竹谷「あぁ!ここはな9つの委員会があってな!

図書、保健、学級、会計、作法、体育、火薬、用具、生物の委員会だ。俺はその生物委員会の委員長代理をしている

一度生き物を飼ったら最後まで面倒を見るのがおれのモットーだ!」


「‥‥へぇ〜」

竹谷「生き物が好きなら俺達と一緒に生き物たちと触れ合わないか?」

「‥‥ぅ?‥‥でも、僕はこの学園の生徒じゃないし‥‥

怪我が治ったら山に帰るつもりだし‥‥
あんまり人間のいるところにいちゃいけないって母上にも言われたし‥‥」


竹谷「その心配ならいらないぞ?

恐らく学園長先生もお前を保護するのと同時にここの生徒になってもらっているみたいだしな!

一年は組に編入するみたいだぞ?

それに、ここにいた方が森で一人で暮らすよりかは安全だぞ?俺達かなり強いからな!そこらじゅうの人さらいや山賊なんかには上級生たちは負けないから守ってくれるし!」


いつの間に‥‥あれ?そういえばそのようなことを以前誰かに言われた気がする‥‥

でも、森に帰りたい‥‥

「‥‥」

するとユキナの部屋に誰かが近づいてくる音が聞こえた

伊作「ユキナちゃんいるかい?」
竹谷「あ、保険委員長の善法寺伊作先輩!!」

伊作「やぁ、竹谷もいたんだね?どうしたんだい?こんなところで‥‥」

竹谷「いえ、世間話をしていた処なんですよ!!」
伊作「ケガの具合を見るから少し外してもらってもいいかな?」

竹谷「えぇ!俺も委員会にいかないといけないのでそろそろと思っていたんで大丈夫です」


伊作「ありがとうユキナちゃんの面倒を見てくれて」

竹谷「俺が好きでやっているだけですから!

それでは失礼します」

伊作「うん」

竹谷「またねユキナ!」

コクンと頷いたユキナを確認するとニコニコと上機嫌に帰っていった。