許し始める心?の段

伊作side

ユキナちゃんが忍術学園にきてから早くも一週間と二日が経った頃受けた銃痕の傷は早くも治りかけているが完治とまではいかない。

普通銃痕を受けた場合当たり所によれば一か月以上、酷いところだと一年以上かかる場所もある。彼女の場合は然程深くはなくかすり傷に近い場所に当たっているためあと一週間ぐらいすれば完治してもいいだろうという状態だった。


伊作「うん、だいぶ傷もよくなっているよ!これなら歩き回っても大丈夫!

……だけど、激しい運動はまだ禁止だよ?いつもみたいに草原を駆け回っていたら傷口が開いてしまうからね?完治するまでは激しい運動はしないこと!

おいかけっことか…重たいものを運ぶのもなし!!周りの誰かに頼ること!
約束できるかい?」

「……っぇ、っと……どうしても?」

駄目?こてんと首をかしげながら聞いてくる彼女の頭の耳がしゅぅんと垂れ下がっていてかわいいのはこの場にいれば誰もが思うはず。

伊作「ぅ、…ダメダメ!ケガは治りかけでも無理したらまたひどくなってしまうんだから!一応一日一回どこかでみせにきて?大抵僕は授業が終わればここにいるから!」

「…はーぃ」

僕は手当てした救急箱を片付けながら外を見つめる彼女に「どこかにいくのかい?」と聞いたところ「ぅ?」と首をかしげてきた

時々舌足らずの言葉を放つ幼い彼女は本当に人間の幼い子供のようでかわいいと思ってしまう。この子は乱太郎たちよりも年下に思うんだ。

きり丸よりも幼くして両親を亡くしている。
しかも目の前で…同情というわけでもない…
両親を亡くす子供たちはたくさんこの世の中にはいるんだ。
この子も…きり丸もその一人にすぎない…。

だからかな?守ってあげたいな…と思ってしまう

伊作「クスッ)今日はいい天気だから、学園内を散歩してみるといいよ?

でも走ったりするのは駄目だからね!?」

一応何度か年を押して彼女を外に出ることを進めた。
いつまでも医務室に籠っていたらストレスになってしまうからねぇ…

「…」

ユキナはこちらをみてうんと素直に頷いてパタパタと小走りで外に出た。