目覚めの段!
重たい瞼を開けると見覚えのない天井がぼやける視界に広がった‥‥そして何度か嗅いだことのある薬品の匂い。
ここは一体‥‥どこなのだろうか?
まさか、‥‥あの男どもに捕まったのか!?
そう思った僕は無理やり覚醒させて身体を飛び起きらせる
ズキズキと激しい痛みが来たがそんなことに構っていられない。
早く逃げないと!
フラフラの状態で何とか身体を起こし部屋を出ようとすると人間の気配が扉の前にやってきていたことに気づくのが遅れてあと一歩で部屋に出られるというところで扉が開かれて人間とご対面した。
「っ!!」
?「!!あ、目が覚めたんだねって駄目だよ!?
まだ身体を動かしちゃ!!そんなふらふらな状態でどこに行こうとしたのかな!?」
ほらほら横になってと穏やかそうな人間の子供に布団に押し戻されるのを抵抗するがびくともしない。
何て力なんだ‥‥この人間の力は!ゴリラ並みか!?
「‥‥グルル!!」
?「大丈夫だよ‥‥僕は君に酷いことをしたりしないよ?
寧ろ怪我を手当てしに来たんだから!」
ほらっと手当するための道具を見せながら微笑まれると警戒が緩んでしまう‥‥
あの微笑みは母上の微笑みに似ていたからだと思うが油断はできない‥‥。
子供が「う〜ん困ったなぁ〜」と頭を書きながら苦笑いしている‥‥これも何かの策戦なのか?
?「どうしたら大丈夫だって信じてもらえるんだろう‥‥?」
癖のある髪をもった緑色の服をきた男が僕の前に座り胡坐をかいて悩んでいた。
これも何かの策戦か?
相手の警戒を緩めずにふと自分の状態をみてみると服装が変わっていて白い布のようなものが手足に巻き付いていた。
何だこれは?そう思い布を引っ張ろうとすれば目の前の青年が慌てて僕の手を止めるように言う。
?「あぁ〜!駄目だよ!それは怪我を治すために巻いている包帯なんだから!
包帯には薬草もついているから取れちゃう!!」
「‥‥?」
包帯?これは‥‥包帯なのか‥‥
この時代の包帯と僕がいた世界の包帯は違うらしい。
「‥‥ぅ?」
首をかしげていると青年が安心したのか何かおかしかったのかクスリと微笑んできた。
「大丈夫だよ、ぼくは君を傷つけたりしない
むしろ助けたいんだ‥‥信じてもらえるまで傍にいる。
大丈夫だよ‥‥ここにいる人たちもみんなお前を傷つけたりはしない優しい人達ばかりだからさニコッ)」
この人の笑顔はどことなく太陽のように胸のところがぽかぽかして暖かく感じた。
ぼくはじっと青年を見つめた後嘘偽りがないことを感じ取り静かにうなずいた。
ありがとうと返された。
包帯を変えているところでもう一人の気配を感じ取った
どうやら人間だ!
足音が聞こえない、気配を消しているが僕には通用しない。
思わず身構えた包帯を巻き終えた青年が「どうしたの?」と声をかけてくる。
この青年は気づいていないのか首をかしげてくる
威嚇するように扉の方を睨む。
「‥‥うぅ’’〜」
ガラリと入ってきたのは白い服を着た男の人だった
青年が入ってきた人に嬉しそうに声をかけた。
青年「あ、新野先生!!」
新野先生と呼ばれた人は「伊作君手当てありがとうございます」と穏やかに答えた。伊作と呼ばれた青年が「いえ、大丈夫です。先ほど目が覚めたばかりなので」と答えた。
伊作「紹介するねこの人は新野先生!君を治療してくれた人だよ?」
「‥‥!」
新野「初めまして新野洋一といいます
ここ、忍術学園の医者をしているものです」
医者‥‥?忍術学園?
そういえば‥‥伊作と呼ばれた男の子も見たことがあるような気がしていた。
もしかして‥‥いや、まさかなと内心プチパニックを起こしながらも冷静に判断しようとフル回転をさせる。
新野先生は僕の様子を見て微笑むと、もう少し安静にしていないさいと布団に押し戻された。
どうやら‥‥敵意はないらしい‥‥。
完全に警戒を解いたわけではないがここは素直に従っておく。
布団のぬくもりで安心したのか少し眠気が襲ってきていつの間にか眠りについてしまっていた。
2019/02.17