初めての座学授業の段

翌日土井先生に連れられて一年は組の教室の前にやってきた。
賑やかな話声が中から聞こえてくる。

土井「いいか?私が合図をしたら入ってくるように」

僕は頷くと土井先生は僕の頭を撫でて微笑み教室へ入っていた。
なんだろう撫でるのが好きなのかな?

土井「静かにしろ〜お前たちも知っているとは思うが今日からは組に編入することになった生徒がいる‥‥入っていいぞ」

ガラリと開き小さな影が静かに土井先生の隣にやってくる。

土井「えぇ〜この子は夜神 ユキナちゃんだ 歳はお前たちより3つ年下だが忍たまに編入する形となった‥‥自己紹介をしてもらえるかな?」

「‥‥ぇっと‥‥夜神 ユキナです‥‥あしでまといにならないように

がんばります‥‥よろしくお願いします?」

土井「なんで‥‥疑問系なんだ‥‥」

「‥‥なんとなく‥‥です」

土井「はは‥‥じゃあ質問のあるやつはいるか?」

と聞くと一斉にその場にいた者たちが手を上げる

「「「「〇#☆‥‥!!!」」」」」

何かを言っているが同時にしゃべっているので言葉がおかしくなっている

土井「おい、お前らいっぺんに喋ったらわからないだろうが!!」

「‥‥あ、‥‥いえ大丈夫です

えぇっと‥じゃ、一人ずつ返しますね?

君は二郭 伊助君ですね?‥‥えっと掃除は好きです

笹山 兵太夫君ですね?からくりが趣味なんですね‥‥

僕は興味はあるかなぁ〜と思います

夢前 三治郎君ですね?キミもからくりが好きなんですね‥‥
今度見せてください

黒木庄左エ門君ですね‥‥学級委員長なんですね一年生で凄いですね
はい‥‥お茶ご一緒させてください

加藤団蔵君ですね‥‥馬が好きなんですね僕もカッコいいと思います
今度乗せてもらえませんか?

佐武虎若君ですね‥‥火縄銃…ですか?あまり使い慣れていないけど
使えますよ?今度一緒に練習しましょう

山村喜三太くんですね‥‥ナメクジは嫌いではないですが‥‥見ている方がいいですね…

皆本金吾くんですね‥‥剣術が得意なんですか‥‥ぼくもです
ぜひ、一緒に鍛錬を付き合ってください

あとは猪名寺乱太郎くんですね‥‥数日間お世話になりました
怪我はもう大丈夫です‥‥僕は治りが速いので‥‥

福富しんべヱ君ですね‥‥えっと僕は好き嫌いは特にないです
はい、一緒に今度おいしいところ行きましょう

最後が摂津きり丸君ですね‥‥お金が好きなんですね
あはは‥‥僕も暇なときはアルバイト手伝います‥‥」


と一通り答えるとみんながしーんという表情をしていた。
「「「「‥‥‥」」」」」

土井先生はというと( ゚д゚)ポカーンという表情をしていた。

「‥‥あの?」

乱太郎「すごいね!私たちの言っていること聞こえてたんだ!」
きり丸「土井先生しか聞き取れないのに!」
しんべヱ「うん凄い凄い!!」

皆が口々に凄いとほめたたえる。
土井先生はお腹を押さえている‥‥大丈夫だろうか?

土井「ほら!お前ら自己紹介はそれくらいにして、授業をやるぞ!」

というと「「「ぇええ〜!!」」」」とブーイングの嵐が来る。
土井「中々授業が進んでいないんだ!このままだと留年になるぞ?!」

留年なんてあるんだ‥‥汗)

すると渋々皆が忍たまの友を手に持ち始めた。
土井先生ははぁ〜とため息を吐いた

「お疲れ様です」

土井「‥‥何で君はそんなに冷静なんだ‥‥」

乱太郎「まるで庄ちゃんみたいだね」
と苦笑いする乱太郎君に首をかしげていると土井先生から忍たまの友をもらった。

僕は庄左エ門の隣に座った。

土井「さて、授業を進めるぞ‥‥
今回は復習授業だ‥‥【五色米】についての授業を行う

【五色米】についてわかるものはいるか?」

と笑顔で聞いてきたところしーんとする。

乱太郎「まだ習っていないのでわかりません!!」
と当然のようにいう乱太郎君に‥‥。

土井先生は「教えたはずだ教えたはずだ〜」と握り拳を強くして言う

「土井先生!【五色米】とは米を青、黄、赤、黒、紫の五色に染め分けて道の目立たない場所に置き暗号文を作る。

色の組み合わせや置き方で様々な情報が伝えられる。連絡用に使用した。色の組み合わせと意味は事前に仲間と打ち合わせる

でしたよね?」

土井「正解!」

と涙を流しながら言う土井先生と「おぉ〜」と感心するは組の人達

土井「なんで、まだ授業をやったことないはずの夜神が知っててお前たちはわからないんだ!!昨日授業でやったばかりだろう!!」

乱太郎「そ、‥‥そうでしたっけ?」

と頭をかきながら言う乱太郎といびきをかいているしんべヱ君。

土井「では‥‥忍びの基礎から学びなおす!
『基本八術』と『五術』があるそれぞれ答えて見せろ!

虎若!兵太夫!」

虎若「…えぇっと‥‥たしか、体練でしたよね?」

土井「そうまだまだあるぞ?ほかには?」

兵太夫「‥‥なんだったけ?」

土井「‥‥お前ら‥‥一応聞いておくが夜神お前はわかるか?」

「‥‥『基本八術』とは、歩走|跳躍|水泳|登坂|隠形|整息|暗視|練聴のことをさし『五術』=脱節|闘|手裏剣及びつぶて|鍛腹|鍛歯。のことをさします」

土井「正解だ!」

スラスラとよく僕も言葉が出てくるものだ‥‥
一度もしかしてみたことがあるのかなぁ?

庄左エ門「すごいな!なんでそんなに物知りなんだ?」

「‥‥父に教わったことがあります」

庄左エ門「…お父上に?」

「はい、‥‥夜神 蒼真聞いたことありませんか?」

「「「「!?!」」」」

きり丸「えぇ!ユキナの父ちゃんって蒼真さんだったのか?!」

「父のことをご存じなのですか?」

聞けば色々遊んでもらったことがあるらしい‥‥。
とても優しかったとか授業に関しては厳しかったとか‥‥
事務員だったが時々先生もしていたらしい。

団蔵「ユキナちゃんからみて蒼真さんはどんな人だった?」

「…あんまり覚えてないです‥‥4っつのころにとつぜんと姿を消してしまったので‥‥
物心つく頃には祖父に育てられていたので‥‥」

というとしーんとしてしまった

団蔵「ごめん‥‥」

「あ、いえ‥‥大丈夫です‥‥意外なところで父のことを聞けたのが驚きだったので…」

と微笑むとさらに俯いてしまった。
空気が少し暗くなる中土井先生がパンパンと手を叩いた。

土井「お前ら私語ばかりするんじゃない!授業を進めるぞ」
と黒板に向き合ったところでカンカンと音が鳴った

乱太郎「あ、授業が終わりの鐘だ!」

土井「‥‥はぁ〜お前たちは復習授業をちゃんとするようにこれは課題のプリントだ

本日の授業はここまで!」

「「「「ありがとうございました」」」」

と声をそろえる。

さて課題も出たし図書室で勉強でもしようかなぁ〜と立ち上がる。

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