目が覚めてから視線を感じたのは天井の方だった
僕は巫女の力があるから気配にも敏感だ。
ざっと9人‥‥といったところか‥‥おおいな。
恐らく上級生だろう、僕が間者かどうか見極めるために見張っている‥‥といったところだな
逃げるしかない‥‥そう思い少し重たい身体を持ち上げて部屋を出ようとする。
がふらりと身体が傾いてしまい近くにあった机とぶつかり大きくガシャンと湯呑が割れた音が響き渡る。
その破片をみてどうせ殺されるくらいなら‥‥
自分で死んだほうがましだ‥‥
そう思った。
思考より早く、手が破片へと手が伸びた。
破片は鋭くとがっている小さな掌が握っただけで血が滲み始める。
ぽたぽたと垂れる血をじっと見つめる
これならすぐに死ねるのかな?
傷だらけの身体を手当てしてくれたのはありがたいけど‥‥
僕にとってはこの世界で生きることが苦痛なのだ。
きっと今生きられたとしてもすぐに死んでしまうだろう
なら‥‥いっそ‥‥
そう思いぐっと力を籠めようとすると天井から緊迫した空気が漂うのを無視した。
天上の方へ気を取られていたから入ってきたもう一人の人物に気づかずに背後を取られて手首を掴まれた
「‥‥駄目だよ!」
聞いたことのあるようなその声にゆっくりと顔を上げるとくせ毛のある優し気なあのお兄さんが少し怖い顔をしていた。
「‥‥っ!」
いつの間に!そう思わずにはいられなかった。唖然としている僕をいいことに、手首からいつの間にか破片を放された
「割れた破片掴んだら怪我をしちゃうじゃないか!?
あぁ!血がでてるよ!?どうして危ないことをするんだい?」
テキパキと処置をしながら僕の血をみて掌に包帯を巻きながら説教をされた。
「‥‥して?」
「‥‥ん?」
声が掠れた‥‥どうして?助けるのかそれを聞きたかった。
「‥‥どうして、‥‥たすけるの?」
「‥‥え?」
「‥‥ぼく‥‥は、‥‥たすける‥‥かちなんて‥‥ないのに」
そう助ける価値なのどこの人達にはないのだ。
彼らは一人前の忍びを目指すために学園で学んでいる忍者の卵忍たまなのだから‥‥
こんな馬の骨の知らない人間をましてや子供を厄介者だとしか思わないはずなのに‥‥。
僕は彼の返事を待った。彼は困ったように「どうして助けるか‥‥って」それはね?と続ける彼。
「僕が保健委員だからだよ!」
と笑顔で答える…意外な言葉に「へっ?」と唖然と返す。
僕の頭を撫でながら微笑む
「僕らはね、怪我した人を手当てするのが仕事なんだ。
だから目の前で傷ついて倒れている人がいるのに見過ごすことなんて‥‥僕には出来ないんだよ」
「‥‥!」
この人は純粋で温かい人なんだな…そう感じた。
太陽のような人柄に僕とは間反対だと感じた。