怪我の処置を終えて新野先生が現れて怪我の状態を見て激しい運動をしなければ多少動いても大丈夫だが安静するようにとのこと。
学園長先生が呼んでいるということで僕は助けられた人に抱きかかえられた。
何でこうなったんだろう‥‥
薬草の匂いが漂いながら身体を硬直させる。
それに気が付いた彼が僕に声をかけてきた。
「‥‥どうしたの?傷…やっぱり痛いかい?」
心配そうな表情をする彼に首を横に振る。
痛いけど‥‥なんか恥ずかしさが一番上にきた。
できれば早く降ろしてほしい‥‥こんなカッコイイお兄さんに抱っこされるとファンの人に殴られそうだ‥‥←
「‥‥あ、‥‥あの‥‥」
勇気を振り絞って彼に声をかけた。思わず声が震えた
彼は優しく「ん?なんだい?」と子供にいうように声をかける。
「‥‥お、おろしてくれませんか?自分で‥‥あるけます」
「‥‥っ!駄目だよ!‥‥新野先生にも言われたでしょう?
本来なら絶対安静なんだけど、学園長先生が呼んでいるからね…話をしないと始まらないし‥‥歩かせるわけにもいかないから僕がこうしてやってるんだよ!
遠慮はいらないから」
と微笑んできた。
すみません、お手数をおかけします‥‥心の中で謝罪した。←
新野先生は先に学園長先生という人の所に向かったようだ。
先生側side
ここは学園長長屋庵である。
そこには黒い装束服だ‥‥重たい雰囲気が流れている。
誰もが口を閉ざしてる真ん中には老いた老人が座っている。
そして向かいには白衣を着た新野先生が真剣な表情で座っている。
学園長「‥‥して、新野先生あの子供が起きたとな?」
新野先生は口を開き状況報告をした。
新野「‥‥はい、身体の傷はとても酷いものでした。
あらゆる場所が切り傷で劣化していて、何日か食事をとれていなかったようで栄養不足。
山賊に襲われていたようでかなりの警戒心が強かったと伊作君から報告がありました
身体の傷の方はそれぐらいなのですが‥‥」
そこまで言いかけて口を積むんだ。学園長が「なんじゃ?」と促す。
新野「‥‥あの子は目が覚めて‥‥自害をしようとしたようです」
「「「「!!???」」」」
この戦国乱世の時代、戦に巻き込まれて家族や村を失い孤児になった子供は珍しくない
でもそれでも何とか生き抜こうと努力する者たちが多い。
この忍術学園の1年は組のきり丸だってその一人だ。
一人でバイトをしながら学園の費用を払い必死で生きようと毎日を頑張っている
だが‥‥今回保険委員が拾った子供は違ったようで、自ら命を経とうとしたことにみんなが驚いた。
学園長「‥‥自害‥‥じゃと?!」
新野「‥‥はい、偶然割ってしまった湯呑のガラスの破片を握りしめていたようで伊作君が手当てをしましたが‥‥心の傷は相当深いようです‥‥
見たところ、7歳くらいの少女ですが‥‥」
学園長「‥‥うむ、‥‥その子に話を聞いてみたいもんじゃがのぉ‥‥」
新野「これから伊作君が連れてくると思います」
すると2つの影が障子の前に映る
伊作「失礼します、6年は組善法寺伊作です彼女を連れてきました」
学園長「入れ!」
失礼しますと言って静かに障子を開ける伊作と緊張で身体を固まらせている小さな少女が入ってきた。