テスト勉強の段!
この学園生活も編入してきてから二週間弱だけど、かなり広いこの学園どこに何があるのかは案内されたときに覚えることができた。
まったく知らないはずの学園なのに、何故か行きたい場所へすぐにたどり着くことができるという不思議な現象にも慣れてきた。
時々「懐かしい」という雰囲気がある場所も少なからずあるみたいだが‥‥
深く考えると色々おかしくなりそうなので「物覚えがいいから」ということで納得させた。
僕は土井先生からテスト範囲をもらい勉強するために図書室を訪れていた
図書室には上級生の「中在家長次」先輩と「不破雷蔵」先輩がいた。
不破雷蔵先輩は鉢屋三郎先輩という変装名人と同じ顔の為見極めるのが大変だと紹介されたが、不思議と雷蔵先輩と三郎先輩の区別がついてしまうために誰が誰なのかわかっていた。
三郎先輩にも驚かれ「何故、わかった!?」と聞かれても何となくしか言いようがないのでそう返されると眉間に皺を寄せていた。
何かまずいことを言ってしまったのだろうか?
まぁ、五年生の変装が一年生に見破られた時点でプライドが許さなかったのだろうと納得することにした。
おっと話がずれてしまった。
僕が何故図書室似てきているのかというと‥‥僕はテスト勉強をするために範囲となる参考書を借りに来たのである。
「中在家先輩一つお聞きしたいことがあるんですが‥‥」
長次「‥‥もそ?」
略:なんだ?
「‥‥あの、このテスト範囲の勉強するために参考書が欲しいんですけど‥‥どこにあるかわかります?」
長次「‥‥もそ」
略:待っていろ
「ありがとうございます」
何気に会話が成立していることに近くで見ていた雷蔵が驚いていた。大体中在家先輩の会話は図書委員が通訳する感じに成り立っているために直接会話できる人は少ないらしい。
僕は耳がかなりいいのか普通に先輩の声が聞こえる。
しばらくして中在家先輩が戻ってきた数冊の本をもって。
「ありがとうございます、わざわざすみません」
長次「‥‥‥もそ、‥‥もそ?」
略「‥‥気にするな、テストがあるのか?」
「はい、明日抜き打ちテストをするんですがまだわからないところばかり出ると思うので復習をと思いまして」
長次「‥‥もそ、‥‥もそ」
略「偉いな‥‥、頑張れよ」
「はい!」
中在家先輩に頭を撫でられて思わず嬉しくなり失礼しますと言って図書室を去った。
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