あいつの面影の段 六年生side
六年生side

俺達六年生は大きな過ちを犯してしまった。
それは半月前忍術学園に天女がやってきた
始めは警戒していた俺達だったがいつしか天女から漂う甘い香りのせいで相手の術中にはまり天女の周りにくっつくようにして歩いていた。

そして天女の言う言葉をうのみにし、俺達は下級生が泣いていても暴力をふるったことがあった。

下級生が俺達を絶望した目で見ていた
何で手を上げるんだ?なんで‥‥僕たちを見てくれないの?

って‥‥六年生は俺達のほかにもう一人いた。
六年は組の夜神 蒼真という男だ。

そう今の編入生と同姓同名の‥‥それに容姿まで酷似していた俺は「あいつ」の面影が重なって見えた。

どうやら、忍びの本質があるようで学園長が一年生のは組に編入させたようだ‥‥。

密かに一年生の授業を除きに行ったとき

手裏剣の授業をしていた。あのときあの編入生が投げる体制が「あいつ」に似ていた‥‥。

は組の全員が的に当たる前に落ちる‥‥が一人だけあの編入生だけが手裏剣を当てた。
皆がおぉ〜と歓声を上げる山田先生までもが唖然とした。
一年生たちが「お約束ブレイカー」と名付けた‥‥

俺は誰かって?俺は潮江文次郎だ‥‥
今更の自己紹介だな‥‥

あの事件から下級生たちとの信頼関係が崩れギスギスしていた‥‥そんなところに彼が来た。

少し関係が結ばれた気がした‥‥が、六年生の夜神を手にかけてしまった俺達は複雑な心境だ。

容姿や名前が一緒ということで俺達の記憶があるのかと生まれ変わったのかと‥‥復習しに来たのかと‥‥

不安の念が押し寄せてくる。

でもあの一年は何も知らないかのように接してくる。
「あいつ」の一年生のころの姿と重なって見えた。

俺達は集まってそのことを話していた。

文次郎「‥‥どう思う?」

伊作「どう‥‥ってあの編入生のこと?」

仙蔵「‥‥実技の授業を覗きに行ったとき‥‥

手裏剣の構えとか組手のやり方が‥‥「あいつ」の構えと同じだった‥‥。」

文次郎「俺もそう思った」

両腕を組みながら座る仙蔵が静かに答えた。
やはりお前も見に行ってたのか‥‥と思いながら。

留三郎「‥‥時々あの編入生の言葉が「あいつ」‥‥「蒼真」と重なる

同じことを言っているから‥‥どうしても他人事とは思えん」

伊作「僕もよく、落とし穴に落ちちゃったとき何故かすぐに助けに来てくれるのはあの子だったよ‥‥

一年生とは思えない力で僕を助けてくれた」

あの子はとても優しい子だよと複雑そうに言う伊作。
お前‥‥一年生に助けられるって…鍛錬が足りん!
と心の中で突っ込みを入れる

長次「‥‥もそ、‥‥もそもそ」

文次郎「なんだ?」
小平太「長次も図書室によく本を借りに来て勉強しに来ているようだ‥‥努力家だそうだ」

文次郎「‥‥勉強か‥‥」
伊作「「蒼真」も‥‥よく暇さえあれば勉強してたね

委員会をして、授業実技を受けて、おばちゃんの手伝いをして鍛錬をして‥‥勉強して‥‥

いつ休んでるんだろう?って思ったこと何回もあるよ」

苦笑いしながら頭をかいている

文次郎「小平太はどうだ?」

小平太「‥‥私か?私は‥‥編入生と一緒にいけいけどんどーんとランニングをしたことがあるぞ

一年生ながら私のマラソンについてこれていた」

伊作「え!?一年生で!?小平太のマラソンに?!」

仙蔵「本当なのか?」
小平太「あぁ!一年生のころを思い出したぞ!」

なっはっはっと豪快に笑いながら嬉しそうにする小平太。

伊作「‥‥僕たち「もう一度やり直すチャンス」なんじゃないかな?」

苦笑いした後に俯きながら伊作が呟く。

留三郎「‥‥やり直す?」

伊作「うん、蒼真を僕たちの手にかけてしまったことには変わりはないのだけど‥‥いつまでもそのままというわけにもいかない。

僕たちは反省の元僕たちなりに変わらないといけないと思うんだ‥‥きっと「蒼真」の瓜二つの存在がこの時期に編入してきたのもの僕たちに喝を入れるためなんじゃないのかな?」

仙蔵「‥‥だが‥‥」

伊作「きっと今も「蒼真」生きていたら僕たちの情けない姿を見てカツを入れると思うよ?」

留三郎「そうだな!あいつ以外と熱いところもあるからな!

「お前ら落ち込んでいる暇があるなら、これからどうするべきかを考えて動け!そして同じ過ちを二度と犯さないように行動しろ」っていうかもしれないな」

ははといつもの笑顔を見せ始める留三郎。

長次「いつまでも‥‥落ち込んではいられない‥‥時間はまってくれないのだから‥‥モソッ)」

小平太「そうだな!細かいことは気にするな!

イケイケドンドーン!!」

文次郎「はぁ〜‥‥お前ら‥‥」
仙蔵「まぁ、伊作たちの言い分にも一理あるな‥‥

ここで、いつまでも行動を起こさないでいると再び同じ過ちを犯してしまう‥‥それだけは避けなければならない」

伊作「そうだね」

仙蔵「まずは、同じ心境にいる上級生たちを元に戻す行動を始めようその後下級生たちへの信頼を少しずつでいい取り戻すとしよう!」

「「「「「おう!/うん!!/あぁ!!」」」」

彼らは前へ進むために動き出そうと一歩足を踏み出した。
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