長い夢を見ていた気がする‥‥
虐げられてきた環境の中で暖かく握られる手のぬくもり‥‥
それだけでぽかぽかと温まるものがあった
≪‥‥生きて‥‥≫
小さな声が聞こえてきたその声はだんだんとはっきりとしてくる。
≪生きるんだ‥‥君は‥‥まだ死ぬべきではないんだよ!≫
優しくて力強い声‥‥闇の中に包まれた僕に一筋の光が包まれた。
僕は‥‥生きてて‥‥いいんですか?
≪生きるんだ…これからいいことがいっぱいはるはずだから!諦めないで≫
初めて言われた言葉‥‥とても嬉しかった‥‥。
その光に手をさし伸ばした‥‥
「‥‥ん?‥‥こ、‥‥こは?」
伊作「ここは医務室だよ…大丈夫かい?クスリ飲めそうかい?」
優しい声で声をかける少しだけ開ける口に薬を流し込むとゲホゲホと咳込む彼女の背中を撫でる。
「‥‥に、‥‥がい」
伊作「イイ子だね‥‥よく飲めました」
初めて飲む薬はとても苦かった。
撫でられる手がとても気持ちよくて‥‥再び意識を手放した‥‥
ここは僕を必要としてくれている‥‥。
生きていいと生きて欲しいと言ってくれる人がいる‥‥
それだけで安心できた。