真夜中の異変の段! 土井side

私の名は「土井半助」1年は組の教科を担当している
一年生はとても良い子なのだが‥‥座学がからきしで頭を悩ませている。
そんなは組に編入生がやってきた。
異世界からやってきた「不思議な力を持った少女」だ。

今日は自己紹介と見学という形で授業に参加したが
明日から本格的に授業に参加しこの世界の歴史のいろはを学ぶ
そして委員会の体験学習もすることになったのだ。

学園長の提案で見張りを先生が一人ずつつけることとなった。
安藤先生の時はとても心配だが‥‥今のところは何の問題もないと聞いて安心した。

あの人はストレートに嫌みを言うのであの子の心境がとても心配だ‥‥
今日の夜は私が担当をしていたため彼女の部屋の天井裏から見張りをしていた。

特に何かをするんでもなくお風呂から戻ってきた雪奈は
蝋燭の糸に手を近づける‥‥マッチは使わないのか?
いや、使い方を知らないのか‥‥何をするつもりなのだろうか?

すると信じられないことに指をならすと一瞬にして蝋燭に火が付いた。
これも彼女の能力なのだろうか?

物を移動させる力だけでなく火も操れるのか?
火薬庫には近づけない方がいいのだろうか?
と自問自答していると忍たまの友を開いた。

こんな夜遅くに勉強?しているのか?
偉い!は組の子たちはそんなこをしない‥‥その努力を爪に煎じて飲ませてやりたい
一人で感動してしまっていた。←

一ページずつ掌を当てながら文字を読んでいるように見える
数ページ読み終わったのか身体を伸ばして布団をしきはじめる。

良い子は寝る時間だからな‥‥

雪奈は寝間着に着替える。
少女の着替えを除く趣味何てないが‥‥上着を脱ぐと痛々しい包帯や傷の後が残っている
あの子は本当に辛い目にあったんだな‥‥

身体を撒いている包帯を無表情で見つめていた。

「‥‥みんな‥‥げんきかな?」

ぽつりと聞こえた小さな呟き。
彼女がいうみんなというのは‥‥あの子の世界の仲間のことなのだろう
懐かしそうに微笑んでいる。

そういえばあの子が笑ったところを視たことがない。

やはり心を閉ざしているのか‥‥警戒しているのか
両方だろうが私たちが警戒を解かない限り彼女は笑わないのかもしれない‥‥


ギンギーンといけいけどんどーん!という声が響く。
また、6年生の潮江文次郎と七松小平太が夜のトレーニングをしているんだろう…
まったく元気なやつらだ

彼女の方へ視線を移すと耳をふさぎ始めた

あの声がうるさく感じているようだ。

「‥‥はぁ‥‥はぁ」

小さく息切れをしはじめた‥‥顔色がどことなく悪いように感じる。
具合でも悪いのか?

そういえば目が覚めてから一人になることなんて一度もなかったからな‥‥
緊張がとれて疲れたのだろうと勝手に解釈した。

雪奈が眠りについて
しばらくたったころ‥‥ふと異変に気が付いた。

先ほどまで聞こえていた小さい寝息が聞こえなくなったのだ。

耳を澄ませても聞こえない‥‥

まさか!と思い私は物音を立てずに天井裏から降り立ち呼吸を確認する

土井「‥‥っ!」

息を‥‥していない‥‥だと!?

脈を測るが鼓動を感じない‥‥…まさか、‥‥死んだ!?

私はすぐに新野先生を呼びに行った。

新野先生もすぐに駆け付けて雪奈の脈を測る。

新野「‥‥これは‥‥」

土井「どうですか…?」
新野「‥‥これは仮死状態のようですね」

仮死状態!?

土井「‥‥え、仮死状態って‥‥どいうことですか?!」

新野「私にも原因がわかりません‥‥彼女の身体はもはや未知数
何か病持だったのかもしれませんが‥‥

彼女の身体は不思議な力を所持している特殊な身体をしていますからね
本人に聞かないとなんとも‥‥でも死んでいるわけではありませんので安心してください」

土井「そうですか‥‥」
私はほっと胸をなでおろした‥‥が新野先生が「ですが‥‥」と続ける

新野「彼女を呼んでも揺さぶっても起きなかったのですよね?」
土井「はい‥‥びくともしませんでした」
新野「‥‥これは非常に危険な状態です」

確かに、もし何か敵襲にあったり災害にあったとき彼女が気づかない場合逃げ遅れる可能性がある

土井「‥‥そうですね、私が見張りを続けましょう」
新野「そうですね‥‥様子を見て対処した方がいいでしょう」

「‥‥ぅ‥‥ん‥‥」

「「?!」」

起きたのか?!

「‥‥み…」

み?

「皆本‥‥さん‥‥賢木…さん‥‥みんな‥‥」

元いた世界の人の夢を見ているのか?

「‥‥ぼ‥‥くも、‥‥そっちへ‥‥いくよ」

脈が遅くなっていく‥‥っ!駄目だ‥‥いくな!
君はまだ死んではいけない!死ぬには早すぎる!!

土井「起きろ!‥‥起きろ!雪奈!」

必死に声をかける頼む起きてくれ!!
新野「土井先生‥‥」

何度か声掛けをしていると小さな瞼がゆっくりと開かれた。
土井「雪奈!‥‥起きたのか!?」

顔を覗き込んで生きているのかを確認する。

「‥‥ど、‥‥土井先生‥‥?」
いきなりの展開で混乱しているのか困惑の表情をしながら私の名前を呼ぶ雪奈に安堵からか、嬉しくなり頷いた。

土井「そうだ私だ!」

「なんでここに?‥‥それに新野先生まで‥‥」

土井「どこか、具合は悪くないか?熱は?」

おでこを触り熱を測っているうむ‥‥熱はないな

「…や、‥‥やめてくださいよ///僕は大丈夫です!」

土井「そうか、それならいいんだ‥‥」

いつもの雪奈だ‥‥安心した
ほっとしていると首をかしげながら外を見ていた。

「‥‥まだ‥‥真夜中…だったんですね?」

土井「あ、‥‥あぁまだ朝には時間があるから寝ていなさい」

「はぃ‥‥土井先生たちは?僕に用があったのでは?」

自分の状態にも気づいていないのか?

土井「私たちももう戻るから気にしないで‥‥」

私と新野先生が苦笑いするまさか君が仮死状態で危険だったからなんて‥‥
まだ原因もわかっていないのに不安をさらに押し付けるなんてことできないから…
それは少し逆効果だったようで雪奈は‥‥表情を硬くし少し身構えていた
どうやら私たちが暗殺しようとしているのかと勘違いをしているらしい‥‥。
表情こそはあまり変わっていないものの、顔に出やすいようでわかりやすい‥‥

土井「いや、私たちは何もしないから安心しなさい‥‥ただの見回りだから」
「‥‥そぅ‥‥ですか?‥‥では、おやすみなさい‥‥」

まだあんまり納得していないようだったが渋々といった感じで眠りに入った。

土井「あぁ、お休み」

再び規則正しい寝息が聞こえ始めた。

新野「‥‥今日はもう大丈夫なようですね‥‥」
土井「そのようですね‥‥ですが、あの症状はいったい?」
新野「私の方でも調べてみますが‥‥なるべく夜は気にした方がよさそうですね」

土井「また、何かあれば報告します」

新野「お願いします‥‥お疲れさまでした‥‥土井先生も少し休んでください」
土井「はい、お疲れさまでしたありがとうございます」

新野先生が去っていたのを確認したあと
もう一度布団で眠る雪奈をみる

「‥‥すぅー‥‥すぅー‥‥」

寝息や寝顔は年相応のもので思わず笑ってしまった。
雪奈の頭を撫でながら、大人びていても所詮は子供なんだなと改めて思った瞬間だった。


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