山賊が出たの段

見知らぬ森に来て2日目
未だにここがどこなのかがわからない。
雨が上がり晴天で過ごしやすい季節なのがわかった。
取りあえず食料を探すために川沿いを歩いていると‥‥ガサガサとひとの気配が3人ほどしかもかなり慌てている様子。

「早くしろよしんべヱ!」
「追いつかれちゃうよ!!」
「はぁ‥‥はぁ‥‥まってよぉ〜!」

スカーフを撒いた子供がメガネをかけた子供と一緒に少し太っている子供を早くと急かし慌てて何かから逃げている様子。

すると少し離れた場所から「まてぇ〜!ガキどもぉ〜!」という声が聞こえた。
どうやら大人に追いかけられているようだ

茂みから出てきた3人の中で眼鏡をかけた子が「川だ!」と叫ぶ
太っちょ君が「うわぁ〜」とバランスを崩し倒れこみ巻き込まれた二人も倒れる。

ガサガサと追いついてきたのは人相の悪い武器を持った大人たち5人だった。

「いてて‥‥」

スカーフを撒いた子が頭を撫でながら起き上がる。
まだ現状に気が付いていないようだ。

大人たち1「はっはっ‥‥ようやく追いついたぞ‥‥ガキども‥‥」

「しつこいなぁ〜俺達に構わないでくださいよぉ〜」

とスカーフの子が大人たちに言う。

大人2「そんなわけにいくか!ほら金目のものを置いていきな!」
大人3「痛い目をみたくなければな」

太っちょ君が「もう歩けない〜」と泣きわめく。
刀を抜いた大人が二人子供めがけて振り下ろそうとする。

危ない!そう思った時より早く身体が動いていた!

「「「うわぁああ〜!!」」」

ブゥウンと風が乱太郎たちを包むように吹き出した
乱太郎たちを守るように前に出ていたのは先ほど川沿いでたっていた雪奈だった

大人たち「「なにっ?!のわっ!!」」

風に吹き飛ばされてバランスを崩し少し離れた場所へ倒れる。

乱太郎「‥‥え?」
きり丸「何が‥‥起こったんだ‥‥?」
しんべヱ「‥‥ん?」

突然の助っ人に唖然としている3人。

大人の一人が武器を構えなおし雪奈に目をやる

大人3「なんだ?!この餓鬼‥‥一体、どこから現れた?!」
大人4「しかも、妙な格好をしているな‥‥」
大人5「服も変わっているが…珍しい絹だ‥‥これを売れば高く売れるぞ!

おい、そこのガキ怪我したくなければ服を脱いで消えな?」

どうやらただの変態のようだ‥‥←

しかも、子供相手に数人とは大人げない‥‥
だから大人はろくでもない奴が多いんだ‥‥皆本さん以外‥‥嫌いだ‥‥。

きり丸「あの子‥‥だれだ?」
乱太郎「‥‥わからない‥‥でも助けてくれたことには変わりはないよ‥‥」
きり丸「でもあの子あのままじゃ、危ないぞ!?」
乱太郎「‥‥う、うん‥‥でもどうすれば‥‥汗)」

「‥‥」

大人3「何とかいえや!!」
大人4「舐めやがって‥‥俺達山賊の恐ろしさを思い知らせてやる!!」
大人5「やっちまえ!」

「「「うぉおお〜!」」」

乱太郎「危ない!?」

「‥‥ボソッ)疾風 雪奈 静電気能力エレキネスLEVEL:7解禁」

小声で腕についているブレスレット型リミッターに解禁を要請すると
淡く青色に輝きだす。

僕の周りを静電気で身に纏わせる

ビリリリリ

「スタン…サブジェクト」

ドォオオん山賊3人を狙い撃ちしたかのように雷が発生し、3人が黒焦げになって倒れる。

「「「!?」」」

突然の雷発生に目を見開く3人。
僕は解禁を解いてリミッターを付ける。

‥‥はぁ、食料を探すはずが面倒ごとに巻き込まれてしまったようだ。

取りあえず5人の男たちを倒したのを確認してくるりと背後にいる3人に視線を向ける。
3人はびくっとしながらこちらの様子をうかがっているようだ。

初対面で力を使ったから化け物だと思ったのだろう‥‥
取りあえずこのバカラ離れないと‥‥

声をかけようかと思ったけど去った方がいいと判断し、その場を離れようとする。

乱太郎「あ、‥‥待って!?」

少し離れたところで眼鏡をかけた男の子が雪奈に声をかける。

乱太郎「‥‥えっと、‥‥助けてくれてありがとう!

私は猪名寺 乱太郎っていうんだけど‥‥君の名前は?」

「……え?」

まさか自己紹介をされるとは思いもしなかった‥‥。
こいうときは自分も名乗った方がいいのか?

「‥‥雪奈」

乱太郎「雪奈ちゃんか‥‥いい名前だね」

ニコッと微笑まれた。いい名前なのかなぁ?
そういえばだれが付けたのかも覚えていない‥‥。

きり丸「俺は「摂津 きり丸」よろしくな」
しんべヱ「僕は「福富 しんべヱ」っていうのよろしくねぇ!」

「‥‥ぁ、いや‥‥」

乱太郎「そういえば雪奈ちゃんはどうしてこのあたりにいるの?」
きり丸「乱太郎‥‥そいうのは後にしようぜ‥‥?」
しんべヱ「そうだよ‥‥あの人たちが起きる前に離れないと‥‥」

乱太郎「あ、そうだね‥‥」

彼らは帰るようだ‥‥それじゃあ、僕も小屋に還るとするかな‥‥
と思い「それじゃあ、僕も帰るね」と小さく言って別れを告げて去ろうとするとパシッときり丸君に腕を掴まれた

「…?」

きり丸「君の家ここから近いのか?」
乱太郎「よかったら送らせてよ‥‥助けてもらったお礼もしたいし‥‥」
しんべヱ「うん!うん!」

いや、‥‥家はないんだけど…かってに借りてる廃墟の小屋だし
まぁ、送られるくらいならいいか‥‥

と思い案内をするために歩き出す。

乱太郎「ところで、さっきの続きなんだけど‥‥どうしてこんなところにいたの?」

「‥‥この森に棲んでるから‥‥」

きり丸「‥‥親と?」

そんな会話をしながら目的の小屋に早く着いた。
「……ここが、僕の家」

「「「‥‥!」」」

乱太郎「‥‥ねぇ、雪奈ちゃんこの家に一人で住んでるの?」

「そうだよ?」

きり丸「親は?」

「‥‥いない」

しんべヱ「じゃあ、いつから?」

「‥‥わかんない」

短い質問に答えていると3人は僕を背にして何やらひそひそと話し始めた。


今日の訪問者3人目