少女との出会いの段! 乱太郎SIDE

こんにちわ猪名寺乱太郎です。
今日は忍術学園の学園長からお使いを頼まれてきり丸としんべヱと3人で行ったその帰り道
不運なことに山賊に出くわしてしまった。

トラブルメーカーの3人と言われていることだけあって
この私たちが出かけるたびに何かトラブルに巻き込まれてしまうんです‥‥
今日はいつもより酷いようだ
いつもなら3人くらいなのに今回は5人もいた。

私たちは逃げて忍術学園を目指して走っていたけど‥‥
しんべヱの体力が持つはずもなく‥‥茂みの方へ行きながら隠れようとするけど

「早くしろよしんべヱ!」
「追いつかれちゃうよ!!」
「はぁ‥‥はぁ‥‥まってよぉ〜!」

少し離れた場所から「まてぇ〜!ガキどもぉ〜!」という声が聞こえた。
ひぃいい〜!!山賊たちが追いかけてくるぅ〜!

どうして追いかけてきているのかと言うと
学園長に頼まれたお使いのものが目当てのようだ
といってもお団子だけど‥‥

視線の先には川が見えた。
乱太郎「川だ!」
「うわぁ〜」としんべヱがバランスを崩し倒れこみ巻き込まれた私たちは共倒れをする

ドスンという音が響いた。

お、‥‥おもい‥‥

きり丸「いてて‥‥」

頭をかきながら上にのっていたきり丸が起き上がる。
大人たち1「はっはっ‥‥ようやく追いついたぞ‥‥ガキども‥‥」

きり丸「しつこいなぁ〜俺達に構わないでくださいよぉ〜」

そんなことを言っても別の所へ行ってくれる相手じゃないよきりちゃん!
大人2「そんなわけにいくか!ほら金目のものを置いていきな!」
大人3「痛い目をみたくなければな」

しんべヱが「もう歩けない〜」と泣きわめく。
刀を抜いた大人が私たちめがけて振り下ろそうとする。

もうだめだ!!とぎゅっと次にくる痛みを我慢するように目をつむる

「危ない!?」

どこからか声が聞こえた。
するとブゥあああと風が巻き起こったかと思えば「「うわぁあ〜!!」」と倒れる音が聞こえる。

何が起きたんだろう‥‥?

恐る恐る目を開けると私たちを守るように両手を広げて佇む一人の少女が立っていた。
見慣れない着物だけど‥‥どこの子だろう?
見るからに私たちよりも小さい‥‥女の子。

大人たち「「なにっ?!のわっ!!」」
乱太郎「‥‥え?」
きり丸「何が‥‥起こったんだ‥‥?」
しんべヱ「‥‥ん?」

一番下にいたしんべヱも起き上がる突然の現象に唖然とする私たち
大人の一人が武器を構えなおし少女に目をやる

大人3「なんだ?!この餓鬼‥‥一体、どこから現れた?!」
大人4「しかも、妙な格好をしているな‥‥」
大人5「服も変わっているが…珍しい絹だ‥‥これを売れば高く売れるぞ!

おい、そこのガキ怪我したくなければ服を脱いで消えな?」

「‥‥」

少女はひるむことなく大人たちを前に睨みつけていた。
きり丸「あの子‥‥だれだ?」
乱太郎「‥‥わからない‥‥でも助けてくれたことには変わりはないよ‥‥」
きり丸「でもあの子あのままじゃ、危ないぞ!?」
乱太郎「‥‥う、うん‥‥でもどうすれば‥‥汗)」

「‥‥」

私たちのせいで巻き込んでしまった少女をどうやって助けようか迷っていると
山賊たちがしびれを切らして襲い掛かろうとした。

大人3「何とかいえや!!」
大人4「舐めやがって‥‥俺達山賊の恐ろしさを思い知らせてやる!!」
大人5「やっちまえ!」

「「「うぉおお〜!」」」

乱太郎「危ない!?」

「‥‥ボソッ)疾風 雪奈 静電気能力エレキネスLEVEL:7解禁」

少女が何かを呟くと手首にあるものが淡い光をしはじめた。

「‥‥スタン・サブジェクト」


少女が空に手を翳して何かを呟くと山賊たちの周りに雷雲が現れてドォオオんと雷が山賊に狙ったかのように落ちたようにみえた‥‥。

乱太郎「‥‥へ?」

山賊たちが一瞬にして5人も倒されてしまった‥‥それも僕たちより年下と思われる少女一人に‥‥

彼女は何者なのだろうか?

私たちを助けてくれた‥‥?それだけは真実だ‥‥

少女は僕たちをちらりと振り返った綺麗な吸い込まれるような青色の瞳に吸い込まれそうになる
そして普通の子供と変わらないはずなのに大人びたオーラに少しだけびくっとした

悲し気な表情をする少女は声をかけずに去ろうとした。
思いふけっているバヤイじゃなかった
お礼を言わないと!

乱太郎「あ、‥‥待って!?

私は猪名寺 乱太郎っていうんだけど‥‥君の名前は?」

「……え?」

私のいきなりの自己紹介にきょとんとする少女は年相応で可愛いと思った。
それに‥‥可愛い声していると思った。

「‥‥雪奈」

乱太郎「雪奈ちゃんか‥‥いい名前だね」

微笑むと戸惑いを見せた‥‥
そういえばこんな裏山になにしてたのかな?
そんなことを思っているときり丸たちもいつの間にか隣にいた。

きり丸「俺は「摂津 きり丸」よろしくな」
しんべヱ「僕は「福富 しんべヱ」っていうのよろしくねぇ!」

「‥‥ぁ、いや‥‥」

乱太郎「そういえば雪奈ちゃんはどうしてこのあたりにいるの?」
きり丸「乱太郎‥‥そいうのは後にしようぜ‥‥?」
しんべヱ「そうだよ‥‥あの人たちが起きる前に離れないと‥‥」

乱太郎「あ、そうだね‥‥」

確かに、山賊が起きたらまた追いかけられちゃうからね‥‥
それに早く帰らないと土井先生たちに心配かけちゃうしね‥‥

「それじゃあ、僕も帰るね」と小さく言って別れを告げて去ろうとするとパシッときり丸君に腕を掴まれた

「…?」
突然のことに首をかしげる雪奈ちゃん

きり丸「君の家ここから近いのか?」
乱太郎「よかったら送らせてよ‥‥助けてもらったお礼もしたいし‥‥」
しんべヱ「うん!うん!」

それに両親がいたら事情を説明しなくちゃいけないし‥‥怒られたら可哀そうだしね
乱太郎「ところで、さっきの続きなんだけど‥‥どうしてこんなところにいたの?」

「‥‥この森に棲んでるから‥‥」

きり丸「‥‥親と?」

こことはそう離れていない場所に古びた小屋がポツンと置かれていた。
そういえば昔ここは小さなお寺だったんだよね‥‥
今じゃ廃墟となっているけど‥‥
でもこの近くに家なんて建ってたかな‥‥?なんて思いながら歩いていると
雪奈ちゃんはその寺の前についた途端に足を止める。

まさか‥…ここ?

「……ここが、僕の家」

「「「‥‥!」」」

見るからに生活感がない小屋。
埃もたまっているし所々穴ぼこだらけだし‥‥
隙間風もかなりあって寒そうだけど‥‥

乱太郎「‥‥ねぇ、雪奈ちゃんこの家に一人で住んでるの?」

「そうだよ?」

当然のように言う雪奈ちゃんに嫌な予感がして‥‥
もしかしてこの子は捨て子なのかもしれない‥‥
裏山に捨てられて一人でいままで暮らしてきたのかもしれない‥‥
だからあんなに細いし、傷だらけなのかも‥‥

きり丸「親は?」

「‥‥いない」

しんべヱ「じゃあ、いつから?」

「‥‥わかんない」

これは‥‥このまま帰るわけにはいかなくなった。
このままこの子を‥‥雪奈ちゃんを放っておくわけには行かない
保健委員としてあの子の傷も治したいし‥‥

乱太郎「きり丸‥‥しんべヱ…ちょっと」

きり丸「なんだ?乱太郎…」
しんべヱ「どうしたの?」

小声で話を始める私の見解を彼らに話すときり丸たちも同じ考えだったようだ

乱太郎「もしかしたら、あの子‥‥親に裏山に捨てられちゃったんじゃないかな?」
きり丸「だから、あんなに細い腕で」
しんべヱ「傷だらけなのもそのせい?」

乱太郎「うん、私は保健委員としてこのままあの子を放っておくことはできない」
きり丸「それは乱太郎の気持ちはわかるけど‥‥忍術学園に連れて行ったらまずいだろう」

しんべヱ「‥‥うん‥‥どうしようか?」

乱太郎「事情を説明したら新野先生はきっと治療をしてくれるはずだから
一緒に忍術学園に連れて行こうと思うんだけど」

きり丸「そうだな‥‥このままいけば、あの子倒れそうだもんな‥‥」
しんべヱ「もうすぐ日が暮れちゃうよ早く帰らないと」

乱太郎「決まりだね!‥‥ねぇ…雪奈ちゃ‥‥ドサッ‥‥へ?!」

私たちが振り返ると地面に倒れている雪奈ちゃんに駆け寄る

乱太郎「‥‥ど、どうしたの!?」

「‥‥はぁ‥‥はぁ…///」

頬が赤く染まり額に汗が流れていた。
風邪を引いたのかな?すごい熱だ‥‥

きり丸「乱太郎!どうだ?」
乱太郎「‥‥凄い熱だ‥‥早く忍術学園に戻ろう!?」

私は雪奈ちゃんを背負う…かる!
乱太郎「うわっ?」
きり丸「どうした!?乱太郎!」
乱太郎「あ、‥‥ううん!大丈夫思いのほか軽すぎてびっくりしただけ」

きり丸「なんだよ、びっくりさせんなよ!」
しんべヱ「びっくりしたよぉ〜」

乱太郎「ごめんね!」

忍術学園に近づいてきたその時「お〜い、乱太郎、きり丸、しんべヱ!」と聞き覚えのある声が聞こえた。この声は‥‥

乱太郎「あ、土井先生!!」
土井先生が木々の上から降りてきた。

土井「お前たちどうしたんだ?

そんなに慌てて‥‥遅いから迎えに来たぞ‥‥ん?
乱太郎その背中に背負っている子供は?」

乱太郎「あ、そうだ先生!!この子忍術学園の新野先生に見せてあげてください!!

凄い熱なんです!!」

土井「え!?」

戸惑っている土井先生に「はやく!」と念を押して渋々土井先生が背負い忍術学園に一足先に向かってもらう。

自分も早く言って説明しなくちゃ‥‥そういって足が一番早い私は一足先に学園に戻ったのです。


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