到着、忍術学園の段!
ーその建物は町から離れた山を背にして建っていた
広大な敷地と立派な門構えからこの地の領主の館だとまがえるものも少なくない。
だが、よく見ると門にはこんな看板が掛けられていた

「忍術学園」……と。


文字道りここは忍術を教える教育機関である。十歳で入学し、六年間で体力を練り上げつつ、武術を身につけ、兵法の陰陽と表裏を授かるのだ。

そんな学園の門前に1頭の馬と小さな少年とがっつりと鍛えられた青年が歩きおおきな扉を開くと中に通された。


少年は門に掛けられている看板をみて思わず「忍べよ!!」と心の中で突っ込みを入れてしまったのは無理もないと思う。

何故なら、忍者は「耐え忍ぶもの」だからである。

門をくぐると掃除をしているやんわりとした
青年が「入門表」と書かれたものを取り出し僕に見せた。

「……ぇ?」

文次郎「……こ、小松田さん……ただいま」

彼の名前を「小松田」さんというらしい………。

小松田「やぁ〜潮江君おかえりなさい〜!!

あれぇ〜その子は?忍術学園に入るんなら入門表にサインをしてください」

と紙に備え付けられた板を差し出した。
僕はその紙に名前を「疾風 蒼真」……と。

小松田「疾風くんっていうんだね!

僕はこの学園の事務員をしています「小松田 秀作」っていいます」

よろしくねぇ〜とのほほんと言うと笑顔で手を伸ばしてきた握手というやつだ……。

僕はその手を握り返して「よろしくお願いします」とほほ笑んだ。

文次郎「……あ、あぁ〜小松田さんそろそろいいですか?これから学園長に報告に行かなくてはいけないので」


小松田「あぁ、そうなの?ごめんねぇ〜潮江君入門表にサインをしてください!!ってあれ?もうしてある?いつの間に……」

文次郎「ふっ、俺はいつだってギンギンに忍者しているからな!こういうのは、得意なのだ」

自慢げに胸をはる。

ぎんぎんに?よくわからないけど……、まぁ僕も気づかなかったからすごいと思うけど……。

文次郎「……じゃあ、いくか!!」

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