転生の段
全身に包み込むような、爽やかで暖かく気持ちいいそよ風が肌を伝って感じる

長閑な自然の風景と、自然に囲まれた綺麗な小川が流れる水の音まさに秘境とも呼ばれる大自然に囲まれた国に生を受けた私「疾風 蒼真」は、実をいうと生前の記憶を持っている。

自分のこれまでの経歴を城の屋根の上に乗り街の風景を見ながら考える。


自分は平成の世に生まれ15歳の高校生だった。高校生になったばかりの自分は進路について考えていた。

歴史は好きだし医学も好きだったので医療系の仕事に携わろうと勉強してきた


しかし、ある日突然に自分の生に終わりを告げることとなってしまった。

まだ、ぼんやりとしか思い出せないが自分は通り魔に殺されたんだと思う。

勉強していて、帰るのが遅くなったある日の夜のことだった。

その日は、季節が梅雨に入ったせいか天気も悪くいつもよりひどい土砂降りの雨であった。

雷はゴロゴロと鳴り響き、風は強く傘をさしても意味がない状況だった。

身体は雨に打たれてすっかり冷え切ってしまった。早く帰って暖かい布団で寝よう足を早めていたその時不意に横脇の路地裏から人が飛び出してきて身体同士が衝突し胸に何か鋭いものが突き刺さる感覚の鈍い音がした!

グサッ

なにが起きたのか自分でもわからない
・・・が、胸の方を見ると刃物が胸に突き刺さり刺された部分からはジワリと血がにじみ始めたのである

血の気が引きくらりと、目眩が起きる
重力に従いゆっくりと倒れていく身体は勢いよく地面に叩きつけられたのだ


犯人は、男のようで目は異常なほどに挙動不審になりながらも狂気に満ちた目をしていた。

この人は何か危ない薬でも使っていたのだろうか?

もしくは、理不尽な理由でぼくは事件に巻き込まれ殺されてしまったのだろうか?


意識を手放した自分にはその真相を掴む事などできない。

何故なら500年の時を超えて過去の時代の室町時代に転生トリップしてしまったからである。

突然起きた摩訶不思議な出来事
突然起きた第二の両親の存在。

生前の記憶がある僕は、どう対応していいのかわからないでいるから結果的によそよそしくなってしまい敬語になってしまう。


此処は他の村町とは違い治安も良く品揃えも良くみんないい人たちばかりだ。

僕はその一般市民を将来守る立場となる後継者の人間である

それ故に、何処からともなく刺客が度々命を狙いに忍び込んでくるのだ

僕の両親は、とても民思いで時折視察に町へと降りることもあるため僕も付き添い村人たちの生活の様子などを観察している。


専属の忍びは、奏多(かなた)という二十代前半の若い男の人で僕も生まれた時から世話になっている

黄昏時組頭ともよく戦い互角ともいえるほどの実力者でもあり父上を尊敬し暁の国の忍びとして誇りを持っているため信頼も厚い


僕が屋根の上で日光浴していると人の気配を感じたが動かなかった何故なら僕のそばに現れたのはよく知っている奏多だったからだ。

奏多「若、こんなところにいらっしゃったのですが?!探しましたよ!」

「奏多・・何をそんなに慌てているの?」



奏多「あれ程危ないので危険ですと申し上げたのにあなたと言う人は!」


とお説教が始まりそうだったので此処に来た目的をと話題を再度変える


奏多「は!実は領主様がお呼びなのです」

「・・・父上が?何の用だろう分かった今いくよ」

僕はそういうと、素早く屋根から飛び降り父上の居る王の間へと足を運んだ


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