東の地の段
あれから奏多が戻り安全であることが確認できたために休憩を終えて再び走り出した。

東の地に近づいてきたのか町が各地で見えてきた
その町に入り、宿泊をしたりして早くも5日間が過ぎていた。

ある日のこと町の甘味処でお茶をしていると何やら視線を感じることがある
あたりを見渡しているときは、その視線は消えるが食べているときにまた視線を感じる。
何だろうと思っていると、そこで奏多も感じ取っていたのか神妙な表情をしていた。

「?」

首をかしげていると奏多が小声で「世間的な話しながら気づいていないふりをしてください」
急にそのお願いをされたので素人の僕にはわからないが誰かが僕たちのことを見ているのか、探りを入れているのだろうと気づき、僕は素直に笑顔で頷いた。

「奏多!僕、もっと町の様子を見てみたい!」

奏多「だめです!急いでいくところがあるんですから!

寄り道はまた今度にいたしましょう?」

「えぇ〜・・・せっかく、町に来たのに〜」

とぶぅとほほを膨らませながら普通の子供のように、すねてみる。
奏多は相変わらず敬語だけど面倒見る家族の保護者のように接してくる。
甘味処でみたらし団子を堪能した僕は上機嫌で町の中を歩き出立の準備をする。

蒼穹にまたがり町を出て森の中に入る。
森の中に入った途端に視線と気配が複数を感じるようになった
普段のプロ忍たちなら気配を感じることなく、いつの間にか囲まれることがあるのがお決まりのパターンなのだが
今回は相手はプロ忍じゃないのか、それとも山賊なのか?

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