彼とおばけとわたし4
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こんな修羅場だというのにお化けは身体を起こしやんわり私の手をとっていつもみたいに笑っている。あまりにも優しい目をして笑うものだから思わずその手を握り返しそうになる。
「触るな」
骸さんの言葉にびくりと肩が跳ねる。
「可哀想に、そんなに脅えて。…貴方こそ手を放したらどうです?」
目を細めて骸さんを見る視線はどこか冷たい。
「うるさい、」
そう吐き捨ててずるずる引きずられるように骸さんに肩を抱かれて歩かされる。ちらりとお化けの方を振り返ると眉を寄せて仕方無さそうに肩をすくめ笑っていた。
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骸さんの部屋までくるとベットへ荒々しく放り投げられた。
苛々とネクタイを緩めながら覆い被さってくる。骸さん、骸さん、骸さん、何度目かの呼びかけにようやく「…なんですか?」と愛撫を始めていた手を止めて顔を上げた。不機嫌そうな色違いの瞳が私を睨んでくる。
『お仕事はいいんですか?』
「…関係ない」
そうですか、と呟くと再び止まっていた手が動きだした。
こんな風にちゃんと骸さんにベットで抱かれたのはいつぶりだろう。すごく昔の事のようだ。
『…ん、』
「気持ちいい、ですか?」
『…んぅ…は、い』
なんで今更そんな事を聞くんだろう。今まで一度だって聞いてきた事はないのに。
あぁそれよりお化けは今頃どうしているんだろう。一人であのリビングに居るのかな。会いたい、な。
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