彼とおばけとわたし5
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あの日から変わった事といえば骸さんと出掛ける機会が増えた事だろうか。
仕事関係で同伴なものがある時には連れだって出掛ける。その度に奇妙なものでも見るような視線を味わった。
みんな口には出さないが釣り合わないとでも思われているのかもしれない。それはそうだろう。私が一番そう思う。
今日も骸さんに連れられて来たはいいものの先程からひっきりなしに人が私達の元へ…というよりは骸さんの元へ挨拶にくる。その客人達に上品に対応している骸さんに、やっぱり私には相応しくない人だと思ってしまう。こんな華やかな人がなんの気まぐれで私なんかと一緒になろうだなんて思ったのだろう。誰でもよかったと言われればそれまでだが。
私も初めこそ大人しく骸さんの傍にいたのだが途中で気分が悪くなり早々に退散することにした。
そっと会場を抜け出し骸さんにはメールで断りを入れてロビーでタクシーを呼んでもらった。
ふかふかのソファに身体を預けると思いの外緊張していたのか肩の力が抜けて沈みそうになった。柔らかすぎるのも考えものだ。慌ててソファの縁に掴まり早く車が来ないかと思いつつぼんやりとしてきた目を閉じた。
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「大丈夫ですか?」
うとうとし出した頃、男の人に話しかけられた。誰だろう、私に話しかけるなんて物好きは。ゆっくり瞼を上げながらお決まりの大丈夫です、という返事を用意して口を開こうとしたが出来なかった。お化けがいたのだ。
ただあの日と違って彼は初めて会った時のように身体が透けていた。
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