僕とあれと彼女
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会場内は様々な人種でごった返している。そのどれもがマフィア関係者だと思うとヘドが出る。くだらない。でもそのマフィアの中に身を置いている自分が一番くだらない。
パーティーの途中までは隣にいた。ひっきりなしに挨拶にくる来客には辟易したがそれでもずっと僕の隣で大人しくしていた。飲み物を取りに行っているのかとも思い会場を見渡してみるがそれらしい姿が見当たらない。
何故だかわからないがすごく嫌な予感がする。ざわつく胸を抑えながらもう一度会場を見回しているとクローム達がこちらに向かってくるのが見えた。
「骸様…」
困ったように眉を下げたクロームが右手を押さえている。
「どうしたんです?」
けがでもしたのかと思い覗きこめば、押さえていた手をそっと外して無言でおずおずと差し出してくる。そこにはクロームの指に填まっていたリングがうっすら光っていた。その光を見ていると無性に気分が急いだ。
「ちょっと席を外します」
「へ?骸さん。どこ行くんれすか?」
肉を頬張りながら不思議そうに首を傾げている犬を千種達に任せロビーへと向かった。
*
受付に行ってなまえの特徴を話し見ていないかと尋ねてみると、気分が悪くなったので帰ったと言う。
なんだ。
それならそうと一言声を掛ければいいものを。それとも周りの雰囲気に気圧されて言えずにいたのか。
携帯を開くと一通メールが届いていた。なまえからだ。
『気分が優れないので先に帰ります』
簡潔に用件だけを書かれた文字を眺める。メールは1時間程前に受信されていた。
気分が悪かったのか。気がつかなかった。僅かな引っかかっりを残しつつもまだパーティーは終わってはおらず再び暑苦しい会場へと戻った。
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