僕とあれと彼女3


最近上手く眠れない。目の下にはうっすらとそれを表す黒い隈が出来ていた。本当に酷い顔だ。

「骸、何かあった?」
「いえ、別に」

会議が終わり各々席をたって行動を始めようというときだった。眠れていないせいかなかなか立ち上がる気になれず、ぼんやりとした頭を抱えて椅子に腰掛けていると近くを通り掛かったボンゴレが声を掛けてきた。こんな時に超直感とは厄介だ。

「何か悩みか?」

何でもないと言っているのにしつこく聞いてくるボンゴレを見やる。

「ありません」
「クローム達も心配しているぞ」
「ハッ、君には関係ない」
「この前のパーティーの時から様子がおかしいって言ってた」
「ああ、そういえば…」
「なに?」
「いえ、大した事ではありませんから」
「言えよ」

怖い顔をして睨んでくる。昔に比べて随分強気になったものだ。立ち去る気配のないボンゴレに軽く息をついてここ最近の眠れない理由を口にする。

「……なまえが、居なくなりました」

ああ、言葉にしてみれば本当に現実になってしまったようで身体の気だるさが一層強まったような気がした。驚いた様子のボンゴレは目をいっぱいに見開いている。

「おまっ、それって……いつから?」
「パーティーの日からです」
「は、はぁ?それって1ヶ月も前の事だろ!!」

そうですね、と答えると更に騒ぎ立てる。忠犬の獄寺や山本まで彼の剣幕に驚いて何事かと此方を窺っている。その視線が煩わしい。

「なんでそんな冷静でいられるんだよ!何か事件に巻き込まれてるかもしれないだろう!」
「知りませんよ」

そう言うと怒ったように瞳を揺らしている。

「探してないのか?」
「どこを探せと言うのですか?彼女の行き先なんて思い当たりません」
「…いい、お前が探さないなら俺達が探す」

随分甘いマフィアもいたものだ。たかだか数度会った事のある人間など放っておけばいいものを。
慌ただしく何処かへと連絡を取り指示をだしているボンゴレの姿をぼんやりと眺めていた。

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