ピンク・ウィルス感染中
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悪く言えば八方美人で自分の意見を主張をしないと評されがちだが、でもそんな奥ゆかしい心を持つ日本人を素晴らしいと常々思っていた。
『あ、六道さんシャワーどうぞ』
コイツに出会うまでは。
ポタポタだらしなく垂れる水滴を気にする風でもなくドサリと隣に座ってくる。ギシリと安いベットのスプリングが軋んだ。居心地の悪さを感じながらじっと目の前のテレビの画面を睨んでいた。
『それとも、そのままするのが好きなんですか?』
不穏な事を言いながらシャツの中にするりと滑り込んだ手に反射的にビクリと身体が反応する。
「ちょっ、」
身体を離そうと手を伸ばしたのが悪かったんだろう。ぐにゃりと柔らかい感触を掴んだと思ったら『あんっ』と艶かしい声が漏れた。
その声に慌てて手を離すと『もうおしまいですか?』と残念そうな顔をして上目遣いで覗き込まれた瞳にこくりと喉が鳴る。
「……帰ります」
このままだと流されてとんでもない事になりそうだと察した僕はベットから立ち上がり部屋を出ようとコートを掴んだ。
が、コートが動かない。
不審に思いコートの先を辿るとぎゅうと掴まれていた。
「離しなさい」
『嫌、です』
振り払おうと何度か引っ張ってみたが、離す気は無いらしく二人の間でプラプラ揺れる僕のコート。
『せっかく入ったのに使わないと勿体ないですよ』
じっと見つめられて 、ふと肩から力を抜いて息を吐く。
「僕に抱かれたいんですか?」
クロームの友人だという彼女とはあまりそういった関係になりたくないというのが僕の本音で、つまらない嫉妬心からクロームに危害が及ぶのは本意ではない。
以前、彼女がうちに泊まりに来たときになんの偶然かバスルームで対面した僕達は、いや僕は彼女の手によって気持ち良くされてしまったのだ。そんななんとも情けない出会いに彼女を見ると顔を覆いたくなるような衝動に駆られる事も多々あった。
『いいえ、六道さんを抱きたいんです』
目を細め笑う彼女の隣に腰を降ろすと、やはりこの安っぽいベットのスプリングがギシッと軋む。
「僕は抱かれるより、抱く方が好きなんですけどねぇ」
細い腰に廻した手をぐっと引き寄せて身体を近づけると、嬉しそうに表情を緩め首に手を掛けてきた。
「ところで、君の名前ってなんですか?」
ああ、名前まで聞いてしまって僕はどうするつもりだ。
ゴワゴワしたバスローブをほどき、現れた柔らかい首筋に噛みついた。
お題:Aコース様
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