流される骸2

夜も更けたころボンゴレ霧の守護者、六道骸の自室ではとある異変が起きていた。

「ん、」

先程から自分の身に起こったとある違和感に苛まれていた。まるで何者かが上に乗っているような気配。寝首をかかれることも充分に考えられるが、ここはボンゴレの敷地内。そう易々と外部からの侵入を許すはずもない。それに仮に突破されたとしても多少なりとも殺気が放たれる筈。いくら就寝中といえどそのくらいの気配は感じとることは出来る。
或いは所謂心霊現象の類いなのか。確かに人に恨まれたり祟られたりするような家業ではあるが…しかしこの感じはどこかで体験した事があるような気がする。
意を決してバッと起き上がった。否、正確には起き上がろうとした。しかし、やはりと云うべきか体が思うように動かない。ならばせめてこの金縛りの正体を突き止めようと目を開くとそこには、

「………貴方はまた」
『エヘ』
「エヘじゃありません!こんな夜中に何やってるんですか!!」
『夜這いです』

悪びれもなくしゃあしゃあと言ってのけるなまえに気がつけば反射的にぺしゃりと頭を叩いていた。『きゃん』という子犬のような声を発して首を縮める姿に張り詰めていた緊張が解けていく。

「退きなさい」
『違う、違うんですよ、これは』

じとりと睨みをきかせると慌てたように弁解を始めた。

『寝る前にそういえば今日は骸さんにおやすみなさいのキスをしてないなあって思い出して…』
「キスをするのに服は脱ぎません」
『初めは骸さんの唇にと思ってたんですけど、寝ている骸さんのまるで彫刻みたいな姿をみたらこれは全身にキスをしないといけないような気がしてきて』

しおらしい態度とは裏腹に手はまだ衣服を剥ぎとろうともがいている。

「もういい加減に……ん、んん」

しなさい!と続くはずだった言葉は口づけにより遮られた。柔い感触に固く閉ざしていたはずの口は呆気なく押し開かれ舌が滑り込んでくる。逃げようともがけば絡めとるように深く攻められぬちゅりと漏れた音にどうしようもなく反応してしまう。

「………ん、むぅ、…」
『何だかんだ言っても骸さんも満更でもないじゃないんですか』

寝起きとは違うぼんやりとした感覚に身を任せていると張り詰めていたものをするりと撫でられた。
それに満足気に微笑んで行為に及ぼうと更に深く口づけてこようとする唇に指をあてる。

「…待ちなさい、せめて避妊はちゃんとしなさい」
『そのまましたら骸さんすぐ気持ちよくなっちゃいますもんね。大丈夫です。ちゃんとわかってますから』

赤い舌をのぞかせそのままぺろりと遮っていた指に這わせられた。

『幸せにしてあげるね、骸さん』

覆い被さってくる小さな影にそっと目を閉じた。



(…あれだけ避妊はちゃんとしなさいって言ったでしょう)(大丈夫ですよー、ちゃんと責任とって骸さんをお婿さんにもらいますから)((確信犯か!))


20170708加筆修正

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