部屋に入り不自然な膨らみに気づきベットへ近づく。
「…誰だ」
仮にもボンゴレの霧の守護者という称号を与えられるデイモン・スペードの屋敷に侵入者などあり得ない。この屋敷は誰も入れないどころかその存在すら認識できない、そういう風に作ってある。そんな屋敷にましてや自室に侵入するなど容易い事ではない。
そっと近づいて布団を剥がすとそこにはすうすうと寝息をたてる女の姿があった。見ない顔だ。刺客だろうか。しかし標的の部屋で呑気に寝るバカなどいないだろう。仮にいたとしてもそんな間抜けを寄越すだなんて自分も随分甘く見られたものだ。どちらにしてもこの女を起こし依頼者を聞き出して、八つ裂きにしてやる。
『…ん、むぅ』
不意に身動ぎをしたかと思うと肌寒くなったのか布団を自分の方へ引き寄せようとしている。
「起きろ」
揺り起こそうと肩を掴もうとした瞬間、突如ガシリと腕を捕まれた。
「なっ、」
まさか初めから起きていてこちらの出方を窺っていたのか…起きている気配など微塵も感じられず油断していた。軽く舌打ちをしつつ掴まれた腕を振り払おうとするが離れない。
『ん…、骸さん…?』
寝起きで意識がはっきりしないのかぼんやりと見つめられる。どうやら誰かと間違えているようだ。にこりと微笑まれ(若干心拍数が上がったのは気のせいだ)そのまま抱きついてきた。首元に鼻を寄せくんくんと犬のように匂いを確かめている。
「は、離せ!」
『髪型変えたんですか?』
寝起きのせいかぼんやりとした声で耳元で話しかけられびくりと肩が震える。吐息がかかりくすぐったい。首に巻かれた手にぎゅっと力が入る。
『ふふふ、稲妻が2つになってます。似合ってますよ、骸さん』
ちゅ、と優しく額に口づけられた。甘い匂いがふわりと香り妙な気分になる。そして耳をペロリと一舐めされた。
「……っ!」
反射的に声を発していた。初めて出す自分のものとは思えない声に戸惑う。
「やめ…んぅ、んん…」
歯列をなぞり丁寧に口内を犯されていく。
「っふ……ん…はな、せ…」
『んふふ、久々の骸さんだからたっぷり味わいたいんです』
胸の飾りをちろちろ赤い舌で舐められる。その舌が妙に扇情的に見え自然と下半身に熱が集まるのがわかる。
「な、…やめっ……ん、ん、」
『骸さんのココもうパンパンですよ、窮屈ですよね』
言うが早いかズルリとズボンと一緒に下着も脱がせていく。
「何をするッ!…」
『ん、…骸さんの大好きな事ですよ』
ニヤリと笑いパクリとデイモン自身を口へ含む。
「やぁ…はっ、んんっ……ん…」
甘い喘ぎ声を発してこれから来るであろう快楽に身構えぎゅっと目を閉じる。
しかしいくら待っても望んだ感覚が来ずそっと目を開くと先程までいた女が忽然と居なくなっていた。
「消え、た…?」
体の冷め得ぬ熱と共に一人取り残されたデイモンは呆然とベットの上にたたずんでいた。
*
『痛っ』
バシッと額に鈍い痛みを感じた。
「起きなさい」
目の前には呆れたようにこちらを覗き込む骸さんがいた。
『…骸さん、………アレ?稲妻が一つになってる…』
「貴女は…何を言ってるんですか…」
まだ寝ぼけてるんですかと再び額に鈍い痛みを感じる。
『痛っ、デコピンした』
「それよりなんで僕の部屋にいるんですか」
『今日帰って来るって聞いて待ってたんです。……ああでも惜しかったなぁ』
ゆっくり伸びをして起き上がる。
「何がですか?」
立ち上がり骸からコートを受け取るとハンガーに掛けながら先程みた夢を反芻する。コートを持ったままうっとりと恍惚の表情になったなまえに気味悪そうに尋ねた。
『さっき見た夢で骸さんと後一歩で合体までこぎつけたのに起きちゃったんです…』
残念そうにしゅんと項垂れた。しかし項垂れたのは一瞬ですぐに満面の笑みを浮かべて顔を上げる。
『なんか思い出したら股が興奮してきました』
手に持っていたコートをポイッと放り投げ骸へとにじりよった。
「やめなさい、帰ってきたばかりなので僕シャワー浴びてないです!」
やめろとなまえの頭を押さえるが『ふふふ骸汁たっぷりでいいじゃないですか!』と嬉しそうに笑うなまえの言葉に青くなる。
「ホントやめてください!僕、汚いです!」
真っ赤になって怒鳴る骸を易々と押さえつける。
『じゃあ私がキレイにしてあげますね』
ニヤリと笑い不穏な言葉と共に襲いかかった。
その後、六道骸の自室からは甘い嬌声が絶えることがなかったという。