ホワイトデー

朝からベットリ貼りついてくるなまえ。

「今日はどうしたんですか?」

何気なく聞いてみると、にこりと微笑まれた。うん、嫌な予感がする。

『…だって今日はホワイトデーですよ』

はにかむなまえに首を傾げる。

「ホワイトデー、ですか?」

聞いたことがない。

『え、骸さん知らないんですか?』
「はい」

なまえが言うにはどうやら日本限定のイベントのようでバレンタインにチョコをもらった相手にお返しをしなくてはならない日らしい。

『お返し楽しみです』
「お返し、ですか…」

うふふとあまりよろしくない笑みを浮かべるなまえに、ふむと少し考えて周りの様子を窺う。誰も居ない事を確認してから素早くなまえの唇を掠めとり、ちゅと軽くくっつけてから離す。

『え、』
「お返し、です」

いつもは余裕たっぷりななまえの顔がみるみるピンク色に染まっていく。いつだって君に唇を奪われてるんですから、たまには逆に奪ったっていいでしょう。

『骸さん…』

惚けたまま口を開くなまえに笑ってみせる。

「なんです?」
『ホワイトデーは3倍返しなんですよ』

ぎゅうっと身体を密着させて熱っぽく見つめてくる。本日二度目の嫌な予感がする。

『嬉しいです!まさか骸さんから誘ってもらえるなんて』
「は?って、ちょ…何するん、です、か」

妖しく瞳の奥を煌めかせ今にも襲いかかってきそうななまえにじりじりと後退り距離をとる。ああ、馴れないことをするもんじゃない。

(んふ、骸さんのホワイトバナナ!美味しい、ですっ!)(そ、こで…喋らないでくださ、あっ…)


ハッピーホワイトデー!

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