『ぬっ!』
ぬぐぐぐっと唸り始めたなまえに骸は首を傾げる。
「どうしたんですか?」
『敵発見です!』
「敵?」
なまえの目線の先にはかつて一戦を交えた事のある最も忌むべき存在がゆらゆらと陽炎のように佇んでいた。
「落ちついてください」
『骸さんの身体を狙ってるんですよ?これが落ちついていられますか!私だって毎日狙っているのに!』
「君のは違う意味でしょう。ほら、見つからないうちに行きましょう…って何故そっちに走り出す?!」
デイモン目掛け走り出したなまえを慌てて追いかけた。
目の前に勢いよく現れたなまえに驚いたように目を開いたデイモン。
「!、君は…」
『この初代イケメン!骸さんは渡しませんからね!』
びしっと人差し指を向け高らかに宣言すると、呆気に取られているようだ。
「憶えてないんですか?」
『何のことですか!』
一瞬むっとした顔をみせたが、すぐにいつもの
「まあいい。どうです、ひとつ私と取引をしませんか?」
目を細めくすりと笑みを浮かべながら口を開く。
「六道骸の身体を乗っとる手助けをして頂きたいんです。私に協力して頂ければいつでも君の大好きな六道骸になれますよ。もちろん私のままで相手をしてほしいというのでしたら相手を致しますが」
『なっ…何ですって…!?』
デイモンの言葉にカッと目を見開き激しく揺さぶられるなまえの心。
『そんな、骸さんと仲良くしつつも初代イケメンも味見出来るなんて!』
「こ、こら!君は僕が好きなんじゃないんですか?!」
『くっ…どっちもカッコイイから選べません…やっぱり身体がある骸さんにしとくべきか、いやしかし初代の人も一度味見してみたい…ああもうどうすれば…!』
本格的に頭を抱え悩み始めるなまえを面白そうに見つめるデイモン。
「なまえ、騙されてはいけません。身体を引き渡したが最後君は指一本触れる事なく利用されるだけ利用されて、捨てられるんです」
『うぬぅ…触れないのはいやです』
骸の言葉にデイモンへと傾きかけていた気持ちが踏み留まる。そんななまえの気持ちの変化を読み取り畳み掛けるように骸は言葉を繋ぐ。
「わかりました。ではこの間君が言っていた条件をのみましょう」
『ほ、ほんとうですか!』
ぱあっと表情を変えたなまえにデイモンは眉をしかめる。
「条件?ほう、それは一体」
「お前に話す必要はありません」
『先に準備して部屋で待ってますからぁ!』