お買い物から帰ってきて玄関に入ってブーツに手を掛ける。冬場は足元が暖かいし可愛いデザインのものも多いので重宝するアイテムだけど脱ぐときに手間取るのがちょっといただけない。特に人と一緒だと余計に。
後ろで待っている先生の視線を感じながら先に部屋に入ってもらえば良かったとようやく気づいた。まだファスナーを下ろしたばかりだったから脇にちょっと避けて先生の方を向こうとしたらうなじに軽く触れるくすぐったい感触。
『なっ、なに…』
うなじから首筋に つぅーと移動した先生の舌にぞわぞわと肌が粟立つ。
離れたと思えば真剣な顔をした先生と目が合う。どんどん先生の顔が近づいてきて唇をやんわり噛まれた。え、何でこんなところで?っていうかブーツ脱ぎかけなんですけど。すごい変な体勢なんですけど私。
唇を割って入ってきた舌に驚いたけど、それよりもっと重大なことに気がついた。
慌てて先生の腕から逃れようとしたけどがっちりお腹に回された手はびくともしない。
ひょいっと片手で抱き上げられて足が宙に浮いた。だから私ブーツ履いたままなんですって。と思ってたらもう片方の紙袋を持っていた筈の手でするする脱がされていく。目を開けてちらりと確認すると、紙袋は玄関の端に置かれていた。いつの間に…器用だ。簡単に脱がせ終わって、これまたいつの間に持ったのか足の辺りでがさがさと音を立てる紙袋を感じながらゆっくり移動していく。
そのまま抱えられてリビングへ行くとソファに荷物が置かれた。てっきり私も座らせられるのかと思えば、どうやら違うらしく今度は寝室へ入っていく。ベットに腰をおろしたところでちゅるんと音をたててようやく唇が離れた。
『…いつ変なスイッチが入ったんですか?』
恨みがましく先生を睨むと少し考える素振りをしながら口を開いた。
「君が屈んでうなじが見えた辺りですかね」
変態だ。
たまにこうして予想外のところで求められることがある。こちらとしてはなんでそんなところで?というようなところばかりで本当に困ってしまう。もうちょっと考えてくれてもいいんじゃないかなぁ大人なんだから。
ギシリと覆い被さってきた先生に はっとした。だめだめ、このまま流されたら大変なことになる。だってまだしてない!
『だ、だめです…!』
先生を押し退けようとしたけど先生の力の方が強くてまた唇に吸い付かれた。
『ん…だめ…』
「だめも何も…君だってもうその気になっているんでしょう。ほら、こんなにして」
撫でられてびくりと反射的に震えると満足そうに細められる目。それに恥ずかしくなって目を反らすと「よそ見しないでください」とか言いながら突起を下着越しに強めに摘ままれた。
『やぁ…ん』
「ん、いい声です」
『ひゃあ!』
こっちはいろいろ大変になってきているのに先生ときたら余裕そうに笑ってるから腹がたつ。
なんでいつも勝てないんだろう。経験の差というやつなんだろうか。こうゆうときに先生と私の差をはっきり見せつけられているようで悔しい。
上着を脱がされて肌がまだ温もっていない部屋の外気に晒された。そこに先生の熱い舌が這わされてくすぐったいのか気持ちいいのかわからなくなる。しばらく先生の手と舌に撫でられたり舐められたりしていたら、既にぐちゅぐちゅになった下着がするりと足を滑っていく。
足の間から先生の顔が見えて次に何をされるのかわかって慌てて身体を起こそうとした。でも私の身体はベットに沈んだままでしっかり太ももを掴まれてて逃げられそうになかった。
『そ、それ、汚いです』
「大丈夫です。今、綺麗にしてあげますからね」
『ち、違っ…っ』
舌でぐりぐり押しつけられると自然と腰が浮いてしまう。
抗議している余裕もなくなって必死に意識が飛んでしまわないように耐えるしかなくて。
泣きそうになるのを我慢していると、ふと先生のあそこの辺りが窮屈そうにしているのが目にとまった。ゆっくり足を伸ばしてぎゅ、と押してみるとびっくりした顔をして先生が顔をあげた。へへ、ちょっとは仕返しできたかも。
「驚きました」
ふふん。もうやられているばっかりの私じゃないんだから。
「おねだりまで覚えていたなんて」
『え、』
「これは頑張って君のリクエストに応えないといけませんね」
『やっ…違、』
違うのに。全然そんなつもりはなくて、ちょっとびっくりさせてやろうって思ってただけなのに。
違う違うって首を横に振っていたら「待ちきれないんですね」と優しく笑われた。全然違う!
ひたりとあてがわれてゆっくり擦られる。あ、やばい。気持ちいいかも。それからいっぱい揺さぶられて頭の中がわけわかんなくなって必死に先生にしがみついた。しがみついているときちょっとだけ目を開けてみたらいつもの余裕たっぷりな先生なんかじゃなくて私だけ余裕がない訳じゃないんだと思うと少し嬉しかった。
*
『…だめだって言ったじゃないですか』
気だるい身体のまま先生を見上げると、ちゅとおでこにキスをされた。
「今日はやけに拒みますね」
『お外から帰ってきたらちゃんと手洗いうがいをしないといけないんですよ』
そう言うときょとんとしてそれから可笑しそうに笑われた。弟の保育園の先生も言っていたのに。大体いつも思ってたけどクフフってなんだ。普通笑おうって思ってたってそんな風にならないよ。
「君はお勉強は出来なくても、そういうところはちゃんとしているんですね。いいこです」
腕枕をしていた手が後ろからぬっと伸びてきてがしがしと頭を撫でられた。もう子ども扱いして!むっとしていると「あと一回頑張ってからしましょうか」とか言うもんだから、抱きついてくる先生を突飛ばして洗面所に向かった。風邪引いても知らないんだから。