デートで遭遇!
今日は、IHも終わって、久しぶりの休日。
その前の夏合宿では色々とあって、真太郎と、お互いの気持ちを確かめ合い、目出度く付き合う事になった。
それから、二人水入らずで遊びに行く事になった。
オンオフの切り替えも重要だものね。
「今日の蟹座のラッキースポットは、ここから東の…仏閣なのだよ」
真太郎は、地図を出して説明している。
「それに相当する場所は…ここだ」
『浅草…?渋いねw』
初デートがお寺って…渋すぎるwww
『おは朝だと、[思いがけない出会いがあるかも?]って言っていたね』
「今日は、お前の手作りのラッキーアイテムがあるから抜かりは無いのだよ」
彼は、雑穀のクッキーの袋を大事そうに抱えた。
でも、私もワクワクしているんだよ。
真太郎と一緒なら、どこでデートしてもきっと楽しいと思う。
※※※
休日で、観光名所のお寺は混雑していた。
「御神籤を引くのだよ」
彼はうきうきしながら、御神籤を開いたら…結果は[大凶]
うわぁ…|||
…そう言えば…ここのお寺は、凶が出やすいので有名なお寺なんだった…
私は打ち沈む真太郎の肩を叩いた。
『…き、気にしない!ここのお寺は、古来から凶が多いので有名なんだからね!』
…そして、私が引いた御神籤も大凶だった…orz
初めてのデートでこれってどうよ?
神様だか仏様は、もう少し空気読もうぜ?
ビギナーズラックの補正くらいしてくれてもいいじゃんか!
サービス精神、足りないぜ!
ラッキーアイテムは、元の宗教が違うから補正も関係ないのだろうか?
『吉なら、真太郎のと取り替えようと思ったのにな…』
私はため息を吐いた。
これじゃ、一緒じゃんか。
真太郎は、苦りきる私の頭をくしゃっと撫でた。
「お前に、そんな事はさせられないのだよ。気持ちだけ有難くいただいておくのだよ」
『なら、お寺で悪い運は引き取って貰おう?これ以上、悪くならないんだから上等だよ!』
真太郎は笑みを閃かせた。
「そうするのだよ。名前と一緒なら、大凶も悪くはないのだよ」
※※※
私達は、気を取り直してデートの続きを再開した。
レトロな風情の賑やかな仲見世を所々覘きながら歩いて行く。
真太郎は、招き猫やでんでん太鼓や笊被り犬や赤フクロウやらの民芸品を手に取って、購入したりもしている。
ラッキーアイテムになるかもしれない物を買うのは習い性の様だ。
『わー、和泉守兼定がある〜♪』
「長物は、ラッキーアイテムに持ち歩いたら、捕まりかねないのだよ」
『持ち歩くの前提っ!?…いくらおは朝でもそれはないんじゃ…』
「おは朝を甘く見るな。…この前はダイニングテーブルだった…」
『ダ…っ!?』…何でもあり過ぎだろ。つか、それ持ち歩き無理だし!!
少し歩くと、店頭に中華まんみたいな物が陳列されている。
『あっ、もんじゃ饅頭なんて物がある!』
「そんなゲ*みたいな物が入っているものなど、あり得ないのだよ!」
『ちょっ…!?それは言っちゃダメ〜!!!』
そして場所柄か、和菓子屋も充実している。
『鯛焼き屋とか金鍔とかもあるよ!焼きたてだよ』
「…それは美味しそうなのだよ」
『真太郎はホントに餡子好きだねー』
そんな風にはしゃいでいると、後ろからのんびりした声がかかった。
「〜あー、ミドチンじゃん?久しぶりー」
振り向いたら、お菓子を食べてる紫頭の巨人がいた。
真太郎も大きいけど、紫原君は更に図抜けて大きい。
紫原君は、私にも気付いた。
「あれー?綽名ちんもいる〜?なんでミドチンと一緒にいるの〜?」
そう言いながら、雑穀入りクッキーの袋を開けて、むしゃむしゃ食べてる。
ちょっと待て…!?そのクッキーって…!!???
『あーっ!?それ、私のクッキーじゃん!!!』
うわ、もう空にしやがった!!!早っっ!!
「ミドチンのもちょーだい?」
「これは今日の蟹座のラッキーアイテムなのだよ!!こら、食うな!名前の分を返せ、紫原!!!」
「もう食べちゃったしー。綽名ちんの手作りお菓子は美味しいねー」
帝光中時代には、料理部でお菓子を作ると、シ○シティの大怪獣よろしく巨人が出て来ては、根こそぎ食べられる事件がしばしば発生した。
『…紫原君は相変わらずだね…』
私は苦笑した。
「そう言えば、名前は紫原と知り合いだったな」
『…うん。私、料理部にもいたからw』
真太郎は溜息を吐いた。
「……ああ…その節は、すまなかったのだよ…」
この説明だけで分かってしまうのも、どうかと思うんだけど。
※※※
私達は、取りあえず空腹の巨人の腹を満たすべく、甘味屋に入った。
私は抹茶アイス、真太郎は冷やし善哉、紫原君はクリーム餡蜜をつつきながら話している。
紫原君は秋田の陽泉高校に進学して、今はIHで東京にいるとか。
試合には出場しなかったらしい。
「えー、ミドチン、綽名ちんと付き合ってるのー?」
「最近からな。臨時でバスケ部のマネもして貰っているのだよ」
「へー…ミドチン、中学の時、女の子に全然興味無かったじゃん〜意外ー…」
真太郎は軽く咳払いした。
「俺は、中学の時から、一応こいつの事は注目していたのだよ」
『えっっ!!??』
前に桃井さんが言ってたアレか?…マジだったのか…
「…ところで紫原、そのクリーム餡蜜は何杯目だ?」
「うーんとね、まだ3つ目だよー」
「まだ食べるつもりか!?」
「ねー、磯辺焼きまだー!?」
「〜っ!!食べ過ぎなのだよ!!!」
紫原君は、真太郎の小言を聞き流し、携帯をチェックしている。
「あ〜、室ちんからメールが入ってる」
「…室ちん…?」
氷室辰也…の事だな、きっと。
「えー?待ち合わせ場所変えるって…?…ミドチン、俺これから行く場所があるから、またね〜」
「あ、ああ…」
「綽名ちん、お菓子美味しかったよー。また作ってね〜♪」
『う…うん、またねー』
そして、自由過ぎる巨人は、私達の前から去って行った。
って、ちゃっかり勘定置いてくな!!コラ!!!(怒)